BPOサービスの定型業務に適用、STEP2は非定型業務の自動化へ|効果を上げるセイノー情報サービスに聞く

鳥居 保徳 氏

株式会社セイノー情報サービス
代表取締役社長

 

RPA導入により
約50%の時間短縮

IS magazine(以下、IS) RPAをどのような業務に適用しているのですか。

鳥居 当社では、お客様の物流の戦略策定から計画、構築、運営・運用管理までを幅広くご支援する「物流業務クラウド」を提供しています。そのなかに当社のオペレータがお客様の物流業務の前後にあるOA処理を代行するBPOサービスがありますが、そこに適用しています。紙のFAXの注文書をOCRにかけて基幹の受注システムに入力したり、出荷の実績や配送後の進捗報告を物流業者に代わって荷主へ送付する、といった業務です。

物流は工程管理のかたまりですが、工程と工程の間にシステム的に連携しない部分がたくさんあり、そこを人の作業でつないでいるのが実情です。それは、倉庫業者A社のシステムのデータフォーマットと運送会社B社のシステムのデータフォーマットが共通化されておらず、物流のデータを受け渡すときにフォーマットの変換やデータの加工が必要になるからです。物流のIT化が進めば進むほど、中途半端な空白が生まれているのです。

当社はその空白地帯の業務を代行するBPOサービスを提供していますが、物流ビジネスの競争が激しくなるなか、スピードや業務の品質、コストパフォーマンスがより強く求められるようになっています。RPAを必要とする状況がより拡大しているのです。

IS 導入効果はいかがですか。

早川 あるお客様が販売促進に使用するイベント用の什器や景品の配送・回収のBPOサービスに適用したところ、たとえば、従来、48分かかっていた出荷データの作成・メール送信処理とそのチェックが6分で済むようになり、42分短縮しました。また、RPAを適用した13の業務全体で見ると、約50%の工数短縮を実現しています。これによって、社員および契約社員、派遣社員の作業時間が短縮し、残業時間の削減につながりました。働き方改革の面でも大きな効果があったと考えています。

早川 典雄 氏

株式会社セイノー情報サービス
取締役 物流技術担当
LLPオペレーション担当・厚木事業所担当

 

IS スムーズに効果を生み出せた理由は何ですか。

早川 RPA導入の前に業務の標準化がなされていて、それをRPA向きに改正し、RPA利用のためのマニュアルを整備したことが挙げられます。整備したマニュアルは、業務フローと文書で記述した業務マニュアルだけではなく、ボタン操作のレベルまで記述したシステム操作マニュアルです。

 

RPA導入の留意点

IS RPA導入の留意点は何でしょうか。

早川 今挙げたマニュアルの整備もその1つですが、RPA導入の前に業務を見直して属人化した作業を是正すること、そして業務変更の可能性も考慮したシナリオの作成や、本番導入前の入念な検証、導入後の継続的なメンテナンスなどがポイントになります。RPAは導入したら終わりではなく、業務とともに成長させていくことが必要です。当社では、こうした経験を活かして、お客様に提供する物流業務クラウド、BPOサービスのRPA化を順次進めています。

IS RPAのなかでAIを活用していくとお聞きしています。

鳥居 現在は「定型業務の自動化」(STEP1)の段階ですが、次のSTEP2では「非定型業務の自動化」、STEP3では「分析・改善」に取り組む計画です。

物流では、天候や交通事情、荷主の都合などによって計画どおりにスケジュールが進まないことがよくあります。そうした場合に、RPAが提供する情報からイレギュラーを検知して自動で対応したり、さらに集積したデータから物流トラブルの予防・予知や迅速な意思決定につなげることが期待されます。当社の物流業務クラウドでは、“RPA+AI”が今後の方向性です。

図表 RPAを物流クラウドにおける事務サービス効率化に位置付ける

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IS magazine No.18(2018年1月)掲載

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