事例|株式会社JRC(株式会社ジェーアールシー)

 

POINT

・Delphi/400 で製作指示管理システムを開発
・BOMマスターを拡張し生産計画システムへ連携
・部品点数や製作パターンの集約・統合化を実現


BOM の概念に沿って

基幹データを生産計画ソフトへ

JRCは屋外で使用する重量搬送用のベルトコンベヤーに欠かせないローラーやプーリーなどの部品を製造・販売する専業メーカーである。ベルトコンベヤー用ローラーでは、国内トップシェアを誇っている。

港湾や火力発電所、製鉄所、セメント工場など社会インフラに近い大型設備の搬送業務には、同社の部品が欠かせない。国内4工場・中国2工場を擁し、少ロット生産からJIS規格の量産品、顧客ニーズに最適化した特注品まで、ニーズに応じた柔軟な生産体制を擁している。

同社では2007年11月、加工・組立・検査・塗装・出荷・在庫に至るまで、一貫した自動化生産ラインの確立を目指す「製造力強化プロジェクト」が発足した。そして中日程管理から小日程管理への展開など、生産を見える化する精度の高い管理表の実現などに取り組んできた。

2009 年3 月には、兵庫県南あわじ市にある本社工場に生産技術センターを設立。2011 年3月に同工場で新自動化ラインが本稼働するのに狙いを定め、業務改善の一環として一連のシステム開発に着手した。

中核となったのが、それまでExcelで作成していた生産計画業務をWindowsサーバー上で稼働するスケジューラソフト「DIRECTOR6」へ移行すること。

そして基幹システム(生産管理システムおよび販売管理システム)が稼働するSystem i側から、このスケジューラソフトへデータを受け渡すため、BOM(Bill Of Materials)の考え方に沿って、System i上の製作指示管理システムをカスタマイズすることであった。

「当社ではJIS規格品から広く市場で流通する標準品、お客様の仕様に基づく特殊製品まで、多種多様な製品があり、膨大な部品点数を抱えています。また製品ごと、ラインごと、さらに担当者ごとに作り方も少しずつ異なります。今後のコスト削減や生産効率を考えるなら、精度の高い生産計画の下、作り方や部品を集約・統合化することが強く求められていました」と語るのは、浜口稔取締役副社長である。

浜口 稔 氏 取締役副社長
浜口 稔 氏
取締役副社長

以前の工場設備では、同じ製品を作るにも、作り方が複数パターン想定されたため、どうしてもマスター登録ボリュームが肥大する傾向にあった。製作指示を入力する時点で毎回、工程・投入部材の入力が発生するため、マスター整備がなかなか進まない。

しかし新自動化ラインの構築とそれに伴う自動シャフト加工機により多種多様なシャフトを製作することで、作り方(製作パターン)を整理・統一し、基本と代替の2 パターンで管理できるようになる。

この基盤となる同社のBOMは、型式/ 部品BOMと工程BOMを1 つのBOMとし、製品と紐づけている点に特徴がある。

システム管理用のBOMについては既に予定・実績管理と原価管理の観点からBOM構成を完成させていたので、今回の開発ではスケジューラソフトへの連携という観点でBOMマスターを拡張した。

こうしたBOMの拡張を含む製作指示管理システムのカスタマイズツールとして、同社が採用したのは「Delphi/400」(ミガロ.)である。実際のカスタマイズ作業も、ミガロ.に委託している。

同製品を採用した理由としては、(1)System iに特化したツールであり、5250画面のGUI化が可能である(当初から製作指示画面のGUI化が要件にあった)、(2)RPGの既存資産が有効活用できる、(3)導入実績が高い、(4)開発からサポートまで一貫したサービスが受けられる、などが挙げられる。

ちなみにDelphi/400 は製作指示管理システムの開発以外に、今春からスタートした取引先向けのWeb受注システムの開発にも利用されている。

製作指示管理システムを
Delphi/400で開発

Delphi/400 の導入決定は2009 年末。翌2010 年には基本設計が終了し、9 月まで開発作業が進められた。

さらにDIRECTOR6 の操作トレーニングや、シャフト加工機へのデータ連携の作り込みを経て、同システムが本稼働したのは2011年3 月のことである。

DIRECTOR6を利用して生産計画を担当するのは3 名。その1 人である本社工場製造管理課の竹田司課長代理は、導入効果を次のように指摘する。

「以前の生産計画は属人化しがちで、個人の判断にバラツキがありました。しかし今は、中日程計画から小日程計画へ、さらに個人別作業計画への展開は完全に自動化され、工数削減とともに標準化が進んでいると実感します」

竹田 司氏 本社工場製造管理課 課長代理
竹田 司 氏
本社工場製造管理課 課長代理

また生産技術センターで今回の導入を担当した山口尚之課長代理も、次のように指摘する。

「現場の作業担当者は開始・終了時間や完成・投入数を紙の伝票に記入していました。それを基にPCでデータ入力するため、タイムリーな実績把握ができませんでした。現在は開始・終了、完成・投入数ともに即時処理ができ、リアルタイムな情報収集が可能です」

山口 尚之 氏 生産技術センター 課長代理
山口 尚之 氏 生産技術センター 課長代理

当初の予定通り、部品点数や製作パターンの集約・統合化は確実に進んでいる。しかし浜口氏は、今はまだ移行途中であるとし、「来春をめどに全製品に対するBOMの階層管理が完成したら、今後はこの新しい生産体制に沿って、お客様への提案内容や販売方法を変革すべく、営業教育を推進していきたいと考えています。そこまでいけば、今回の導入の真のゴールに到達できるはずです」と今後に期待を寄せている。img_56e7a04462cd0

 

COMPANY PROFILE

設 立:1965年
本 社:大阪府大阪市
資本金:8000万円
売上高:40億円
従業員数:172名
http://jrcnet.co.jp/