事例|株式会社ホテイフーズコーポレーション

判断・展開のポイント

・運用の煩雑さからサーバーの二重化を中止
・クラウドサービスの利用で災害対策レベルを向上
・BIツール「Hybrid ANALYZER」もクラウド型の利用へ

サーバー二重化を中止
クラウドサービスの採用へ

ホテイフーズのやきとり缶詰は、誰でもスーパーやコンビニで一度は目にしたことがあるだろう。

同社は昭和8 年の創業以来、やきとりやツナなど300 種を超える缶詰製品を開発してきた。缶詰以外にもレトルトパウチ食品、チルド食品、冷凍食品、飲料など、総合食品メーカーとして、時代の潮流とともにそのフィールドを大きく広げつつある。

同社は長年にわたるIBM iのユーザーで、RPGによる手組みの販売管理・生産管理の各システム、パッケージを利用した給与・会計システムを運用してきたが、2010年10月から、マシンリプレースのタイミングに合わせてクラウドサービスの採用に踏み切った。

長年にわたる自社所有(オンプレミス)型の運用環境から移行し、新たなBIツールの採用やPHPによるWeb化への取り組みに着手して、IBM iの利用環境を前進させようとしている。その採用の経緯を詳しく見てみよう。

今回のクラウドサービス採用の契機になったのは、それまで運用してきた9406-520のリースアップである。

同社では、静岡市の本社にあるこのマシンを本番機として運用する一方、2003年から災害対策の一環として、大阪支店にもう1台のSystem iをバックアップ機として導入。HAソリューションを使って、リアルタイムなデータレプリケーションを実行してきた。

しかし長年の運用経験から、サーバーを二重化しても、それが事業継続に直結するとは限らないという現実に直面してきた。

2 台のサーバーやソリューションの保守料で多大なコストが発生する。大阪支店にはIT要員がおらず、有事に本番機からバックアップ機への切り替えをスムーズに実施するには、定期的な訓練が不可欠だが、限られたシステム人員でそれに対応するのは難しい。また基幹サーバーだけを二重化しても、帳票印刷やオープン系サーバーでの業務は残り、必ずしも有事に完全な形で業務を継続できるわけではない。

さらに使用していたHAソリューションでは、しばしばデータ同期の不整合が発生し、その問題解決にも相当な時間をとられてきた。

「 こうした状況を考えた時、少ない人員でサーバーの二重化を継続するよりも、本番機は1台に集中し、専門の技術者が24時間365日常駐する堅牢なデータセンターに設置する。その方が、運用オペレーションの煩雑さも解消できるし、事業継続の観点でも適切であるとの判断に至りました」と語るのは、システム室の田代勝巳室長である。

検討作業がスタートしたのは2009年末頃から。マシン購入によるオンプレミス型の運用は選択肢から外し、最初からクラウドサービスでの利用を検討した。約1 年を費やし、占有型・共有型を交え、System iをクラウドサービスで提供する5 社のベンダーを慎重かつ詳細に比較検討した。そしてコストや運用サービスなど総合的に判断し、ベル・データがPower 720Express (8202-E4B)を占有型で提供するクラウドサービスの採用を決定した。2010年12月のことである。

田代 勝巳 氏 システム室 室長
田代 勝巳 氏
システム室 室長

B I ツールのリプレースで
社内ユーザーを拡大

移行に際してはOSを5.3 から6.1 へリプレース。EDIの通信手順をJCA手順からTCP/IPへ変更するための開発作業が加わり、約4カ月の並行稼働期間を経て、2011年10月に本稼働した。

「バックアップ作業や稼働監視、ログ確認などの運用サービスは全てデータセンター側に委託しているので日常的な運用管理はかなり楽になりました。マシンを購入してデータセンターへ委託する場合のトータルコストに比較すれば、クラウドサービスの利用料金の方がコスト効果は高いと思います」と、そのメリットを指摘するのは、システム室の川崎靖氏である。

今回の移行でもう1 つの主眼となったのが、BIツールの移行である。

同社ではそれまでも、別のBIツールを利用して、経営層向けに実績データの分析を可能にしていた。しかし使用していたBIツールは直感的なドリルダウンなどの操作性が必ずしも十分ではなく、経営層からは見栄えや使い勝手に対して改善要望が寄せられていた。そこでマシンのリプレースと同じタイミングで、BIツールのリプレースにも着手したのである。

複数のBIツールを検討したが、結果的にはベル・データが提案した「Hybrid ANALYZER」(ヴィンキュラムジャパン)を採用した。操作性や使い勝手、画面の視認性の高さ、そして前ツールと同じくグリッド操作が可能である点などに加え、ユーザー数が無制限であるなどコストパフォーマンスの高さを評価した。

とくにベル・データがHybrid ANALYZERに関して、ライセンス販売ではなく、ハードウェアと同じく月額の使用料金で提供する点も評価されたようだ。

同社では今後、経営層にとどまらず、マネージャークラスにまで広くBIツールの利用を拡大したいと考えている。そのためには、ユーザー数が無制限である利用体系や使い勝手のよさが重要なポイントになったようだ。

このほか、参照系を中心に現在の5250 画面を社内向けにPHPを使って段階的にWeb化していくことも予定している。クラウドサービスの採用を機に、IBM iの利用環境を見直し、さまざまな点でグレードアップしていくことになるようだ。img_56e7a04462cd0

川崎 靖 氏 システム室
川崎 靖 氏
システム室

 

 

COMPANY PROFILE

創業 : 1933年
設立 : 1947年
本社 : 静岡県静岡市
資 本 金 : 9750万円
売 上 高 : 290億円(2009年9月期)
従業員数 : 464名(同上)
http://www.hoteifoods.co.jp