エンドユーザーの62.2%が「自分たちで開発できる」、52.1%が「自分たちで開発した方が早い」 ~ガートナージャパンがエンドユーザー開発の実態調査を発表

ガートナージャパンは5月27日、企業内のエンドユーザーによるアプリケーション開発の実態を発表した。今年2月の調査で、119人が回答している。

エンドユーザーによるアプリケーション開発は、PCが1人1台の割合で普及した1990年代から広がり(パッケージのマクロやスクリプト機能の利用)、最近ではRPAを使った業務自動化プログラムの開発をエンドユーザーが行う企業が増えている。ガートナージャパンの調査は、そうしたエンドユーザー開発の最近の状況を捉えたものだ。

「エンドユーザーが自ら開発する理由」のトップ3は、次のような結果である。

・自分たちで開発できる (IT部門に頼むほどではない):62.2%
・自分たちの要求、要件の内容に沿ったものができる:54.6%
・自分たちで開発した方が早い (時間短縮):52.1%

エンドユーザーがアプリケーションを自ら開発する理由 (ユーザー部門・個人) 回答:119  出典:Gartner

この結果についてガートナージャパンの片山治利氏は、「IT部門の資源 (ヒト、モノ、カネ) は会社全体 (あるいはサポートするビジネス部門全体) のものであるため、どうしても全社や部署にとっての優先順位に基づいて、アプリケーション開発の提供を行わざるを得ない現状があります。そのため、IT部門の立場からすると、ユーザー部門にとって必要なアプリケーションを同部門が必要とする時機に提供し続けることは非常に難しいでしょう。結果として、ユーザー部門が、自分たちで開発できるならそうしようと考えるのは当然といえます」とし、「日本企業における市民開発(ガートナーはエンドユーザーによる開発を「市民開発」と表現)はかなり浸透しているといえます」と述べる(引用はニュースリリースから)

一方、エンドユーザー開発の課題については、次の項目がトップ3だった。

・作った人でないと中身がわからない(ブラックボックス化、属人化):67.2%
・作る人によってアプリケーションの品質にばらつきがある:54.6%
・ガバナンス(セキュリティなど)が困難である:45.4%

エンドユーザーによるアプリケーション開発の課題(ユーザー部門・個人) 回答:119  出典:Gartner

今後のエンドユーザー開発の「あるべき姿」についてのエンドユーザーの回答は、「IT部門によるサポートを得て、エンドユーザーによるアプリケーション開発を推進すべき」(48.9%)と「IT部門に開発を任すべき/移譲すべき」(30.0%)の2つに割れた。

また、IT担当者に「エンドユーザー開発に対する関与のあり方」について尋ねた結果は、「ガバナンスなどルールづくりに関与すべき」が突出して高かった (73.3%) という。

ガートナーでは、エンドユーザー開発は「未来のアプリケーションにとって不可欠になる」とし、次のように提言している。

「市民開発を検討する企業のアプリケーション・リーダーは、アプリケーション/ソフトウェアの開発や調達の方法が多様化していることを踏まえ、ユーザー部門のニーズに真摯に向き合う必要があります。それと併せて、IT部門の観点から留意すべき点も説明し、自社の市民開発の位置付けを明らかにして、その推進に積極的に貢献すべきです」

・ガートナージャパン「日本企業の市民開発に関する実態調査」

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