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IBM i Merlinの本番ユーザーは「世界で数百」 ~スティーブ・ウィル氏がブログ「Merlinって最近どう? CTOからのアップデート」を公開

IBM i CTOのスティーブ・ウィル氏が、「Merlinって最近どう? CTOからのアップデート」と題するブログをTech Channel上で発表している(9月21日掲載)。

IBM Merlinは、2022年5月にIBM i 7.5とともに発表されて以降、9カ月後の今年(2023年)2月にデバッガーを追加したほかは、機能面で追加・拡張はない。当初予定していた機能の動静も伝えられず、音沙汰のない状況が続いていた。

「最近Merlinの状況に関してコミュニティから質問を受けることが多いので、このブログ投稿を機会にMerlinがどのような状況にあり、実装がどのように進んでいるか最新情報を提供したく思います」と、ウィル氏はブログ公開の理由を述べている。

Merlinの状況について、ウィル氏は次のように記す。

「Merlinを発表して以降、私たちのチームはソリューションのアップデートと新機能の提供に懸命に取り組んできました。最もインパクトがあったのは、最初の発表で約束していたデバッガーの提供です。

もう1つの重要な開発は、サブスクリプションでMerlinを利用できるようにしたことです。これは、Red Hat OpenShiftのライセンス形態と整合させるための、お客様からのご要望でした。

今年上半期、私とIBM iチームは、Merlinの導入が急増していることを目の当たりにしました。現在、北米、日本、イタリアなどの主要市場を中心に、世界中で数百のユーザーが本番環境でMerlinを稼働させています。

ARCAD SoftwareはMerlinの緊密なパートナーであり続けています。彼らはMerlinの重要なコンポーネントを開発し、世界中のお客様サイトやカンファレンスでIBMと一緒にトレーニングセッションやラボを共催しています。

何百ものお客様がMerlinのPoC(プルーフ・オブ・コンセプト)や実装を始めたところで、今年下半期から2024年にかけて増え続けることが予想されます。

Merlinが備える、古めかしいコードをモダンで拡張可能かつ保守可能なデザインへと変換する強力な機能や、ソース管理やセキュアな開発環境を提供するブラウザベースのインターフェースは、多くのお客様を引き付ける強力な機能です。

私たちが見てきたところでは、Merlinは従来のIBM i開発パラダイムに大きな影響を与えており、Merlinを検討する多くの開発部門がDevOpsの採用を検討しています。ARCADのコンポーネントを使用することで、私たちはこのDevOps機能をより多くのお客様により早く提供することができました」

Merlinの今後については、次のように記している。

「短期的には、IBM iチームとARCADチームはソリューションの新しいアップデート開発に忙しく、その一方で人々がそれを試せるように支援しています。

長期的には、チームはまだ公表できないことに取り組んでいますが、最初の発表のときに私が話したことで、忘れ去られてしまったようなことを指摘したいと思います。

MerlinはOpenShift上で稼働し、ユーザーはブラウザを介してMerlinの各種ツールへのインターフェースを得ます。これは、IBM iツールを提供するためのまったく新しい方法です。

もちろん、業界の多くでコンテナベースのアプリケーションを作成しているため、Merlinの最初のリリースを開発する際には、コンテナベースのソフトウェアを構築するための確立された手法の多くに従いました。IBM/Red Hatのカタログの一部となるためには、そうする必要があったのです。

しかし、IBM iの基本的な価値は「統合」であるため、私たちはツールの単なる提供だけにとどまりませんでした。Merlinの一部を、基礎となるアプリケーションを使いやすくメンテナンスしやすいグループで結びつけることを可能にするフレームワークとしたのです。初期のユーザーからの反応は、この統合の価値を裏づけていると思いますし、私たちのチームがフレームワークのために行った慎重な設計の証でもありました。

私たちは当初から、Merlinを統合されたアプローチに基づくコンテナベースの製品とすることを望んでいました。IBMには他にもさまざまな種類のツールがあります。私たちそれらを、Merlinのコンセプト、あるいはMerlinそのものを使用して、より多くのIBM i分野で提供できるように準備したのです。

そしてさらに重要なことは、私たちはMerlinのフレームワークを、他の製品や、ビジネスや技術上のさまざまな問題を解決するためのツールセットの追加を想定して開発したということです。ここでのキーコンセプトは、「コンテナベース」「ブラウザ・インターフェース」「セキュア」「使いやすさのための統合」の4つです。

では、その追加をどう実現するのか。より多くの種類のアプリケーションをMerlin自体に搭載するのか、それともMerlinの設計に基づく別製品を作るのか、それはまだ決まっていません。

今はそのために、Merlinのフィードバックに耳を傾けているところです。Merlinの今後に、ぜひご期待ください」

・「IBM i CTO Steve Will answers questions about Merlin and gives a preview of what’s to come」
https://techchannel.com/SMB/09/2023/ibm-merlin-update-steve-will

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