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日本IBMが環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する新フレームワーク「IBM Impact」と「IBM ESG レポート2021」(日本語版)を発表 ~環境に対するPowerプロセッサの貢献度を強調

環境・公平性・倫理面の3本柱で構成される
新しいフレームワーク「IBM Impact」

日本IBMは2022年6月、環境・社会・ガバナンス(ESG)業務のための新しいフレームワーク「IBM Impact」と「IBM ESG レポート2021」の日本語版を発表した。

「IBM Impact」は、企業がより持続可能で公平、かつ倫理的な未来をどのように創造するかを反映したフレームワークで、「環境への影響」「公平性への影響」「倫理的な影響」の3つの柱で構成されている。

図表1 3つの柱で構成される「IBM Impact」(出典:「IBM ESG レポート2021」)

「IBM ESG レポート2021」(日本語版)では、「IBM Impact」のフレームワークと、これに基づく透明性、説明責任を構築するIBMの以下のようなコミットメントを明らかにし、それぞれを詳細に記載している。

環境への影響

・2030 年までに、温室効果ガス排出量のネットゼロを達成
・2025年までに、IBMの非有害廃棄物全体の90%(重量比)を埋立と焼却処分以外の方法へ転換
・2025年までに、IBMソリューションを活用して環境によい影響をもたらす顧客との取り組みや研究プロジェクトを100件開始

公平性への影響

・2030年までに、世界で3000万人のスキル開発
・2025年までに、400 万時間のボランティア活動を記録
・2025年までに、働きながら学校に通う実習型プログラムとニューカラー(New Clollar)人材向けプログラムへ2億5千万米ドルを投資
・2025年までに、1次サプライヤー向けダイバーシティー関連支出の15%を黒人系サプライヤーに割り当て

倫理的な影響

・IBMエコシステム・パートナー向け研修にテクノロジー倫理教育を組み込み、2022年末までにパートナー1000社に提供
・経営幹部向け年間インセンティブ・プログラムにダイバーシティーの指標を追加
・社会的責任と環境への責任、倫理、およびリスク計画を含む健全なビジネスの実践について、100%のサプライヤーが遵守する

エネルギーに関するIBMの新しい目標

IBMは2021年、(1)再生可能電力の使用に関する第3次目標、(2)温室効果ガス(GHG)排出量削減に関する第5次目標、(3)温室効果ガス排出のネットゼロの達成目標、(4)省エネルギー、(5)データセンターのエネルギー効率、(6)エネルギー効率の高い製品設計、(7)サプライヤーやお客様エンゲージメントなどに関する目標を設定した。

上記のうち5つの目標に関して、IBMは以下のようにコミットしている。

・IBMが消費する全世界の電力の75%を2025年までに、90%を2030年までに、再生可能電力から調達する

・IBMの温室効果ガス排出量を、2025年までに基準年である2010年比で65%削減する(事業買収と売却を調整した値)

・2030年までに、実現可能な技術を用いてIBMの残存排出量と同等、またはそれを上回る量の温室効果ガスを除去し、温室効果ガス排出量をネットゼロにする。 また、残存排出量は2030年までにCO2換算で35万トン相当、またはそれ以下とすることを目指す

・ 2021年から2025年にかけて、最低3000の新規省エネルギー・プロジェクトを実施し、27万5000メガワット時(MWh)のエネルギー消費量を回避する

・データセンターの平均冷却効率を、2025年までに基準年である2019年比で20%向上させる

ハードウェア/ソフトウェアの両面から
環境面の持続可能性を実現

ちなみに「エネルギー効率の高い製品設計」に関しては、Power10搭載サーバーのエネルギー効率の高さが紹介されている。

IBMは20年以上にわたって、新しいサーバー製品の単位キロワット時当たりの処理能力を旧世代製品と比較して改善するという目標を掲げてきた。2021年に発表されたPower10搭載サーバー「E1080」は、前世代のIBM Power9搭載サーバーに比べて、単位消費電力当たりの処理量(rPerf/KW)を34%向上させた。

2001年にPower4プロセッサを搭載した最初のシステムを発表してから、2021年にPower10プロセッサ搭載サーバーをリリースするまでに、Powerファミリーはその性能を43倍向上し、消費電力当たりの性能(rPerf/KW)は64倍も向上したと指摘し、Powerプロセッサの環境面に対する貢献度を強調している。

図表2 Powerプロセッサのエネルギー効率の向上(出典:同上)

さらにハードウェアだけでなく、データとAIの活用などソフトウェア面から環境面の持続可能性を実現する取り組みも紹介している。

たとえばイタリア最大の廃棄物管理・リサイクル企業であるHera社はIBMと協力し、IBM Watson StudioとIBM Watson Machine Learningの技術を取り入れ、AIを使って再生・再利用に値するプラスチック廃棄物を自動的に認識させることで、廃棄物の削減を達成した。

また最近買収したEnvizi社のテクノロジーとIBM Maximo資産管理ソリューション、IBM Sterlingサプライチェーン・ソリューション、およびIBM Environmental Intelligence Suiteを統合し、環境条件が業務に与える影響を評価・計画することで、企業のレジリエンスと環境イニシアチブを支援する取り組みなどを紹介している

このようにIBMの生命線であるテクノロジーと専門知識を活用して、環境面での持続可能性を高める支援や環境問題へのソリューションを加速させていくとしている。

◎「IBM ESG レポート2021」(日本語版)

 

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