IBMは5月20日、SIEM（Security Information and Event Management）製品QRadarをPalo Alto Network社に売却することで合意した、と発表した。
IBMは今後、Palo Alto Network社の製品をセキュリティポートフォリオの1つとして販売していく計画。そのために同社の1000名以上のセキュリティ・コンサルタントを対象にPalo Alto Network社製品への移行、導入、デプロイに関するトレーニングを実施するとしている。
一方、Palo Alto Network社はQRadarを同社のSIEM製品「Cortex XSIAM」に統合し、さらにIBM watsonxのLLM（大規模言語モデル）を組み込む計画という。
QRadarは、IBMが2021年に買収したReaQta社の主要製品。IBMにとってサイバーセキュリティ分野における初めての買収で、IBMはQRadarをセキュリティ事業の要の製品として機能拡張してきた経緯がある。今回の売却は、そのQRadarへの機能の集中が、市場のニーズへの対応や他のサイバーセキュリティ技術との統合で柔軟性を欠いていたから、との見方がある。
また今回の売却は、IBMのセキュリティ事業の再編につながる端緒と見る見方もある。
Palo Alto Network社の会長兼CEOは、孫正義氏の“後継者”としてソフトバンク代表取締役副社長を務めたことのあるニケシュ・アローラ氏。
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