Home 事例-IBM i関連 丸千千代田水産|印刷環境の改善で大幅なコスト削減と運用管理の省力化を実現

丸千千代田水産|印刷環境の改善で大幅なコスト削減と運用管理の省力化を実現

by iida

Mapping Suiteの導入によりPCサーバー不要、独自の帳票設計を可能に

 

印刷環境の改善で
コスト削減や運用管理業務を削減

丸千千代田水産は1948年の創業以来、半世紀以上にわたり築地市場の卸売会社として実績を重ねてきた。現在、築地市場に7社ある卸売会社のなかで、塩干加工品に特化することで確固たる地位を築いている。

水産市場を取り巻く環境は昨今、大きな変化の時を迎えている。同社は今までのように川上から川下へ、大量の商品を単純に供給するのではなく、川下から川上へ向けてタイムリーな情報を提供し、ときには共同で商品を企画・開発するなどしながら、小売りとメーカー双方に新しい価値を創出する卸売事業を展開している。

1980年代半ばに、システム/38の利用を開始し、現在もPower SystemsとIBM iで基幹システムを運用する。会計システムにはパッケージ製品を採用する一方、販売管理はRPGで開発したシステムに改修を重ねながら、今も使い続けている。

卸売りという業務の特性上、基幹システムからは受発注に関連する大量の帳票が印刷される。社内で「手て板いた」と呼ばれる一連の受発注書をはじめ、請求書や仕切り書、在庫一覧表など月間30万?50万枚の帳票を8台のラインプリンタおよび複数台のオフィス複合機で出力している。帳票印刷の効率化がコスト削減や業務の効率化にダイレクトに反映されるため、同社ではこれまで2度にわたりプリンティング環境の改善に着手してきた。

ここでは2015年12月、IBM i向けの統合プリンティングソリューション「Mapping Suite」(リコージャパン)を導入し、PCサーバー不要の印刷環境を構築することで、印刷業務の効率化や運用コストおよび管理業務の削減を実現した取り組みを紹介しよう。

 

PCサーバー不要で運用できる
「Mapping Suite」を採用

同社が最初に印刷業務の改善に取り組んだのは、2010年10月に遡る。このときは、PCサーバー上で稼働するプリンティングソリューションを導入し、IBM iのスプールデータをオフィス統合機で印刷したり、FAXからダイレクト送信したり、PDFで電子保存する仕組みを実現した。

しかしWindowsサーバーに障害が多発し、予期せぬシャットダウンが頻繁に発生して業務に大きな支障が生じるようになった。またPCサーバーの維持費や導入コストに加え、当初は2016年11月に予定されていた豊洲市場への移転を控え、サーバー類をデータセンターへ移設していたので、それにも当然ながらスペースコストが発生する。そのため、できるだけサーバーの数を減らすよう求められていた。

さらに以前のソリューションでは、独自に帳票設計を行うのが困難な点も課題であった。帳票の作成や変更のたびに、ベンダーへ帳票設計を依頼する必要がある。たった1つの帳票設計にも外注費が発生し、仕様の伝達や見積もりの依頼を含めてそれなりの工数も要する。

情報システム部ではこうした課題を解決するため、2015年春ころから、新しいプリンティングソリューションの検討をスタートさせた。選定条件となったのは、(1)PCサーバー不要で運用できる、(2)帳票を自分たちの手で設計できる、(3)現行のプリンタ環境を継続利用できる、(4)PDFによる電子保存やFAX送信など既存機能を継承できる、という4点である。

「いろいろと検討を重ねた結果、Map ping Suiteの導入を決定しました。上記の要件をすべてクリアできるうえ、カスタマイズ費用を加えても、最も低価格に導入できる点を評価し、2015年10月に正式決定しました」と、情報システム部 情報システム課の英円課長は当時を振り返る。

 

情報システム部 情報システム課の英円課長

 

PDF自動保存やFAX送信など
きめ細かくカスタマイズ

オフィス複合機へのPDFダイレクト印刷など、Mapping Suiteが標準サポートする機能を活用するのに加え、以前の運用性を再現すべく、いくつかの機能についてはリコージャパンにカスタマイズを依頼した。

たとえばFAX送信に必要な宛先やFAX番号をテキストファイルで生成し、FAX送信サービスへメールで送信する機能。あるいはファイルサーバー(Windows)上に、生成したPDFを自動保存し、日本語ファイル名に書き換え、かつスプールのユーザーデータにあるDBCS(ダブルバイト文字セット)の4文字をPDFファイル名に組み込む(この一連のプロセスは、「Mapping Robot」と呼ばれる機能で自動化している)(図表1)。

 

図表1 画像をクリックすると拡大します】

 

「このほか帳票の出力順序の指定、サイズ変更や両面・片面印刷の設定、さらにオフィス複合機のディスプレイ上に帳票名や日付・時間、印刷履歴を表示する機能などもきめ細かくカスタマイズしました。前ソリューションで運用していた機能はほぼ再現し、ユーザーが不便を感じることのないよう気を配りました」と、情報システム部 情報システム課の大竹洋史係長は指摘する。

情報システム部 情報システム課の大竹洋史係長

 

さらに2015年12月の本稼働に向けて12帳票、合計119フォームの帳票設計をリコージャパンに依頼した。その間、情報システム部の2名が、Mapping Suiteに関する3日間のトレーニングコースを受講し、自分たちの手で帳票を設計するスキルを身に付けた。そして本稼働後の約1年半で、独自に設計した帳票フォームの数は当初の119から現在では314にまで拡大している。

今回の導入によりプリンティング用のPCサーバーは不要になったので、情報システム部を悩ませていた障害対応作業からは完全に解放されている。PCサーバーの導入費やデータセンターへの委託費用、帳票設計に関する外注費を含む運用コストが大きく減額されたのは間違いないようだ。

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COMPANY PROFILE

本社:東京都中央区
設立:1948年
資本金:1億円
売上高:459億円(2017年3月)
従業員数:140名(2017年4月)
事業内容:水産物の卸売り、商品開発・マーケティングなど
http://www.marusen.co.jp/

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Magazine 2017 Autumn(8月)掲載

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