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ユーザー向けのETLツール「Qanat 2.0」、ベンダー向けのAPI連携サービス「Qanat Universe」 JBアドバンスト・テクノロジー株式会社 |特集 IBM iの連携力❽

 

「Qanat」は、JBアドバンスト・テクノロジーが開発・販売している連携プラットフォームのブランド名称で、ユーザーに向けたETLツールである「Qanat 2.0」と、ソフトウェアベンダー向けのクラウド型API連携サービスである「Qanat Universe API-Connect」(以下、Qanat Universe)の2つが提供されている。

Qanat 2.0は、2010年にリリースされた。当時の代表的な国産EAI/ETLツールは機能的にも価格的にも、大企業での利用を想定した比較的ハイエンドな製品が多く、スキル習得にも時間を要する傾向にあった。

そこで同社が主力とする中堅中小ユーザーに向けて、価格も機能性も、さらに使い勝手の面でも手頃なETLツールというコンセプトで開発されたのがQanat 2.0である。

Windowsサーバー上で稼働するQanat 2.0は、抽出・変換、アクセス制御、スケジュール管理機能を備え、連携フローやマッパーの設定はデータの入力側と出力側をアイコンと線で結ぶような簡単なドラッグ&ドロップ操作で実行できる。連携開発はノーコーディングで進められるのが特徴だ。

実行トリガーによる連携のタイミングは、手動実行(任意のタイミングで連携を実行)、スケジュール実行(指定した日時に連携を実行)、ファイル検知(指定フォルダにファイルが作成・更新されたタイミングで連携を実行)の3種類から設定する。

スケジュールは最短1分間隔の設定が可能なので、運用によってはリアルタイムに近い連携を実現できる。

そして入力側に8種類、出力側に9種類の連携アダプタが用意されている。kintone 、Salesforce 、Amazon S3 、@Tovas、DB連携、ファイル連携、Excel連携の各アダプタは、入力側・出力側の双方でサポートされている。

このほか入力側にはWebReport連携、出力側にはメール連携とPDF作成用のアダプタがある。IBM iのDb2 for iには、DB連携で対応する(DB連携とファイル連携は基本ライセンスに標準搭載で、ほかはオプションとなる)。

また豊富な処理関数をサポートしているので、入出力データを加工し、前処理・後処理で他のプログラムを実行させることも可能である。

Qanat 2.0の概要
Qanat 2.0の概要

一方、Qanat Universeはソフトウェアベンダー向けに、複数製品間のAPI連携を実現するためのクラウド型サービスとして提供されている。

一般に複数のソフトウェア製品をAPI連携する際には、開発スキルの習得、開発工数やコストの負担、提供後の運用維持などさまざまな課題が浮上する。しかしQanat Universeであれば、個別開発のリソースやコストが一切不要。対象がクラウドであれ、オンプレミスであれ、APIで連携し、開発から運用までをトータルに提供する。

オービックビジネスコンサルタント(OBC)の「奉行クラウド」、ラクスの「楽楽精算」とIBM iを連携する「i-Road Exporter for 楽楽明細」(イグアス)など、Qanat Univer
seで実現したソフトウェア製品のAPI連携は100種類以上と多岐にわたる。同社ではユーザー向け、ベンダー向けとそれぞれのニーズに沿って、Qanatの提供に力を入れていくようだ。

 

JBアドバンスト・テクノロジー株式会社
https://www.jbat.co.jp/

[i Magazine 2022 Autumn(2022年11月)掲載]