事例|日弘ビックス株式会社 ~ツールを導入し、基幹データ活用の領域を大きく拡大

COMPANY PROFILE
本 社:東京都千代田区
設 立:1956年
資本金:8000万円
売上高:121億円(2020年3月期)
従業員数:200名(2020年4月)
事業内容:合成樹脂用着色剤、着色樹脂成型材料、機能性色材の製造・販売
http://www.nikko-bics.co.jp/

1956年の創業以来、塩化ビニール用を手始めに各種プラスチックの着色剤専門メーカーとして発展してきた。同社の強みは、「色と分散」に関する高度な技術力にある。無限の拡がりと奥行きをもつ「色」の領域で、顧客の求める色を限られた条件の下、正確に再現する「調色技術」。そして色の素となる「顔料」などの材料をプラスチック中に均一に分散、拡散させ、本来の着色力や鮮明な発色を最適化する「分散技術」である。同社ではその技術力とノウハウを活かし、最近ではインキ、塗料、化粧品、電子材料など多方面へ事業ドメインを拡大している。

 

 

PHPQUERYを利用して
営業担当者が実績データを共有

 同社のITへの取り組みは早く、すでに1980年代の初頭には独自のCCM(コンピュータ・カラー・マッチング)システムを開発している。これはベースカラーとの組み合わせにより、合理的なカラーリングを実現するためのシステムであり、同社の最大の強みである、顧客ニーズにきめ細かく対応した調色技術を生み出す基盤となっている。

 1988年にはAS/400を導入し、RPGにより販売管理・生産管理を核とする基幹システムを開発した。その後、2009年に「EnterpriseVision(EV)販売」(JBCC)を導入し、大幅にカスタマイズして販売管理システムを再構築する一方、自社開発の生産管理システムと連携させた。現在は2016年に導入したPower System S814を利用している。

 このほかワークフロー、kintoneによる業務アプリケーション、ファイリングシステムによる文書の電子化など。IT部門の役割を果たす管理部システムーグループには、香田豊樹執行役員(管理部 部長 兼 経営企画室 室長)のもと、4名のスタッフが所属して、日々のIT業務に取り組んでいる。

 BIツールとして、「PHPQUERY」(オムニサイエンス)を正式導入したのは、2020年春である。同社ではEV販売の導入と同時に、基幹データをExcelに連携する「NewWorkFriend-FX」(JBCC)を活用していた。しかし同ツールが2019年10月末で販売を終了し、サポートも停止することになったので、それに代わるBIツールを検討していた。

 また営業担当の取締役からは、営業担当者と日々の販売実績や予実管理のデータを共有したいと要望されていた。そこで同グループでは、2019年から具体的なツール検討を開始したのである。

 PHPQUERYについては2020年2~3月にかけての試用期間で使い勝手を確認し、4月に正式決定した。実績管理等に必要な要件をクリアしていたこと、コストパフォーマンスがよかったことなどが採用理由であったという。

「基幹データをExcelで加工する業務は、社内のさまざまな部門で実施されています。実績管理を手始めに、将来的にはこうしたデータの活用範囲をPHPQUERYにより拡大していく狙いもあり、導入を決めました」とシステムーグループの江森俊輔リーダーは語る。

 試用段階から江森氏がクエリー、グラフ、ピボットといった基本的な操作方法を習得し、実績管理など12種類の定義を作成した。

「一通りの使い方をマスターし、必要に応じてオムニサイエンスのサポートを受けました。わからない操作があってもスピーディにサポートを受けられたこともあり、習得にはさほど時間はかかりませんでした。全体的には操作が容易で、使いやすいツールだと感じています」(江森氏)

 4月以降は毎朝、スケジュール実行機能を利用しながら、18名の営業担当者に集計結果をメール添付して自動配信している。

 コロナ禍でテレワーク時間が増えるなか、営業担当者がこうしたデータを日々確認し、営業状況や実績に対する意識を共有できる。経営側が当初狙いとしたデータ活用が可能になっているようだ。

 

 

物質管理システムの構築へ
PHPQUERYが中核ツールの1つに

 2020年度、同グループでは3つのIT課題を抱えている。新たに竣工した静岡第二工場のインフラ整備と原価計算システムの構築・拡張、そして物質管理システムの新規構築だ。

 なかでも今後、同社の業務で重要な役割を果たすことになる物質管理システムについては、同グループと品質保証部のメンバーから構成されるプロジェクトチームが2020年9月に発足し、2022年4月の稼働を目指して本格的な活動を開始した。

 物質管理システムとは、製造過程で使用される原材料の化学物質を管理するシステムである。昨今は環境問題への対応もあり、製品に含有される化学物質の管理がグローバルレベルで求められ、各国の法令により厳しく規制されている。法規制は常に変化しており、メーカーは各国の法規制を遵守し、製品に含まれる化学物質を適切に管理することが求められている。

「当社でも昨今は、原材料に含まれる化学物質の種類や量、さらに各国の法規制に遵守しているかといった詳細な情報の確認や提出、問い合わせなどが、お客様から営業部門を経由して品質保証部へ、毎日のように寄せられています。回答するには、基幹システムの配合マスターや発注データなど、多種多様な項目を確認する煩雑な作業が必要で、重い業務負担となっていました。また、こうした確認作業は経験豊富なベテラン担当者に委ねられており、属人化が進んでいることも大きな課題でした。そこで含有物質の確認作業をできるだけ自動化・効率化するシステムの構築に向けて動き出したのです」(香田氏)

 プロジェクトチームが発足して数カ月間は、品質保証部から参加しているプロジェクトメンバーにヒアリングを実施し、問題点や課題の抽出に取り組んでいる。業務フローを正確に描き、課題を見える化し、どこまでをシステム領域とするかを決定する作業である。

 現時点でもこの作業は進行中で、システム全体のグランドデザインを策定している段階にあるが、基幹システムにある配合マスターや発注データなどの基幹データのクロス集計などに、PHPQUERYを活用することが決定している。

「PHPQUERYを採用した当初は、実績管理をはじめ、Excelによるデータ活用レベルの向上を目指すだけで、物質管理システムでの利用は視野に入っていませんでした。しかし物質管理システムの仕様を検討するなかで、PHPQUERYは有効に活用できると判断し、現在は中核ツールの1つに位置づけています」(香田氏)

 代表取締役社長の中村貴氏は、次のように語っている。

「私たちが一貫してこだわってきたのは、『色と分散』に関する技術蓄積であり、色に対する『お客さまのニーズにお応えする』ことをモットーにしてきました。蓄積した知見やノウハウを武器に、お客様サイドの諸問題に対して的確な解決手段をご提供していきます。いち早くコンピュータを活用してCCMシステムを開発したように、環境問題に対応する物質管理システムの開発をはじめ、これからもITを最大限に活用しながら、色に対するお客さまのニーズにお応えしていくつもりです」

 

中村 貴氏 代表取締役社長

 


香田 豊樹氏 執行役員 管理部 部長 兼 経営企画室 室長

 


江森 俊輔氏 管理部 システムーグループ リーダー

 

[i Magazine・IS magazine]

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