帳票印刷から取引先ごとの仕分け、封入封かんまでを一気通貫で自動化 | 日本サニパック株式会社

日本サニパック株式会社

本社:東京都渋谷区
設立:1970年
資本金:2000万円
売上高:115億円(2020年3月期)
従業員数:83名(2020年3月末)
事業内容:ポリエチレン製ゴミ袋、食品保存袋、水切り袋などの製造・販売
https://www.sanipak.co.jp/

伊藤忠のグループ会社として、高品質なポリ袋・ゴミ袋の開発・製造・販売に一貫して取り組んでいる。インドネシアのバタム島に工場をもち、日本品質の徹底した管理のもと、業界では数少ない自社工場による一貫した生産体制を築いていることが大きな強みである。石油を原料とするポリエチレンを活用する企業の責任として、環境負荷を低減する製品の開発に積極的に取り組み、SDGs(持続可能な開発目標)を意識した経営を掲げている。

帳票印刷から仕分け
封入封かんまでを一気に自動化

日本サニパックは、2020年に設立50周年を迎えた。これを機にコーポレートブランドをリニューアルし、今後の50年を見据えた経営戦略を明らかにしている。これからも顧客ニーズに寄り添う工夫を凝らした製品づくりと、地球や環境にやさしい製品の提供を通して、清潔で快適に暮らすためのソーシャルインフラとなることを目指す。

同年10月には物流企画・情報システム本部をSCMグループ デジタルトランスフォーメーション推進部へ名称変更し、DXとSCMの実現に向けた数々の取り組みを開始している。

その一環として挙げられるのが、RPAによる業務の自動化、FAX文書のOCR読み取り、AIチャットボットを活用した次世代型オーダーシステムの導入、インドネシア工場でのトレーニングを目的にしたスマートグラスの活用、スマートファクトリー構想につなげる生産設備の稼働可視化など。業務の自動化・効率化・高度化を軸にした施策を次々に打ち出している。

そのなかで社内に大きなインパクトを与えたのが、ピツニーボウズジャパンの封入封かん機を導入し、IBM i上の基幹システムの帳票印刷から顧客ごとの仕分け、封入封かんまでの一連のプロセスを自動化した試みである。この内容を詳しく見てみよう。

宇野康典部長代行(SCMグループ デジタルトランスフォーメーション推進部)は、2019年秋に開催されたIBMユーザー研究会主催のイベント「NEXT 2019」で、IBM iと連携した封入封かんのデモを見て強い印象を受けた。

「当社ではEDIシステムでの受注が進む一方で、今でも約8000枚の納品書と約3000枚の請求書を毎月郵送する作業が発生していました。これは管理職を含めて9名が所属する営業サポート部受渡課の業務ですが、人手による煩雑な作業で、締め日の前後には多くの残業が必要でした。封入封かん機のデモを見たとき、ここまで劇的に自動化・省力化できるなら、すぐに検討を開始したいと考えました」

宇野 康典氏
SCMグループ
デジタルトランスフォーメーション推進部 部長代行

小手川勝己課長代行(SCMグループ デジタルトランスフォーメーション推進部 情報システム課)は宇野氏の意向を受けて、すぐに封入封かん機の情報収集を開始した。

同社では数年前にIBM iのスプールファイルからPDFを作成する「UT/400-iPDC」(アイエステクノポート)を導入し、受注内容を確認するチェックリストなどいくつかの帳票をPDF化していた。

納品書や請求書はラインプリンタで複写式の連続帳票へ印刷しており、これをUT/400-iPDCを使ってPDF化し、カット紙へ移行することを考えていたが、「せっかくやるなら、もう少し適用領域を広げて、ユーザーにインパクトを与えたい」(宇野氏)と、かねてから実施方法を検討していたという。

そこで封入封かん機とUT/400-iPDCを連携させることで、納品書・請求書のPDF化とカット紙への印刷、顧客ごとの仕分け、封入封かんまでのプロセスを一気通貫で自動化しようと考えたのである。

封入封かん機がバーコードを読み取り
顧客ごとに帳票を仕分け

「数社の封入封かん機を比較検討したところ、UT/400-iPDCと連携が可能であることに加え、出力スピード、両面印刷や用紙設定などの機能、そしてコストパフォーマンスに優れるなどの点を評価して、ピツニーボウズジャパンの『Relay 4500』の導入を決定しました。途中、コロナ禍により検討作業を休止したのですが、2020年6月に再スタートし、同年9月に正式導入しました」(小手川氏)

小手川 勝己氏
SCMグループ
デジタルトランスフォーメーション推進部 情報システム課 課長代行

顧客ごとに異なる帳票の仕分け作業では、封入封かん機が帳票に印字されたバーコードを読み取る必要がある。そこでPDFファイルにバーコードを入力するソフトウェアとして、「PlanetPress Suite」(販売:ピツニーボウズジャパン)を採用した。

流れは以下のようになる(図表)。

図表 帳票印刷から封入封かんまでの流れ

まずIBM iのスプールファイルをUT/400-iPDCでPDF化し、それをPCサーバー上の指定フォルダに格納する。これがトリガーとなって、PCサーバー上のPlanet
Press Suiteが起動し、指定フォルダ内のPDFから伝票番号と得意先コードを読み取り、PDFファイルにバーコードをスタンプする。それをオフィス複合機で印刷。これらの帳票を封入封かん機にセットする。

あとは封入封かん機がバーコードをスキャンしながら、顧客ごとに必要な納品書や請求書を判断して、折って封筒に入れ、糊付けして封かんするという仕組みである。

「すべて一律の枚数で送付する場合にはバーコードは不要ですが、当社ではお客さまごとに送付枚数が異なるので、ピツニーボウズジャパンの提案を受けてPlanetPressの導入を決めました」と、鈴木大介氏(SCMグループ デジタルトランスフォーメーション推進部 情報システム課)は語る。

鈴木 大介氏
SCMグループ
デジタルトランスフォーメーション推進部 情報システム課

導入に際しては、次の準備作業を実施した。まずUT/400-iPDCによる帳票の再設計。今までは複写式の連続帳票を使用していたが、封入封かん機では1つの取引先に封入できるのは最大5枚までなので、それを考慮するために、カット紙へ両面印刷させ、かつ複数伝票を同じページに表示できるようにデザインし直している。

次に封入封かん機の導入・設置と、PCサーバー上へのPlanetPressのインストールを実施。またこれまで納品書は横型、請求書は縦型の異なる封筒を使用していたので、これを機にレイアウトを統一し、さらに印字した宛先の部分が見やすいように窓を大きくしたデザインに変更した。そうすることで封筒の在庫が1種類となり、封筒の在庫管理の負荷軽減も期待できると考えた。

本稼働後は、宇野氏が最初に考えたとおり、劇的な業務量の削減を実現した。手作業で実施するのは電源のオン・オフ、封入封かん機への帳票と封筒のセット、そしてスタートボタンを押すこと。これにときどき糊付け用の水を補給する作業が加わるのみ。年間で約1500時間を費やしていた封入封かん作業は、わずか60時間へ削減されたという。

またカット紙へ移行したことで、複写式連続帳票の外注コストやラインプリンタの導入・保守費用も不要になった(同社では本社に本番用、大阪にバックアップ用のラインプリンタを導入していたが、現在はどちらも撤去されている)。

「封入封かん作業は目に見える形の煩雑な作業で、締め日前後には他部門の人手を借ることも少なくありませんでした。それが限りなく作業時間がゼロになり、『劇的に作業が削減された』と皆が効果を体験したことで、今後のDXへの期待感が一気に広がりました」(宇野氏)

同部ではこれら自動化・効率化の施策を推進するとともに、2023年度を目標に基幹システムの再構築プロジェクトも進めている。1つ1つの自動化・効率化の導入効果をバネに、基幹システムを含めた同社のDXを推進していくことになるようだ。 

 

[i Magazine 2021 Summer(2021年7月)掲載]

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