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Redbooks『IBM Power Systems Virtual Server Guide for IBM i』正式版を公開 ~全300ページ。オンプレミスからの移行、ネットワーク、デプロイ、DR方法などを詳述

1月17日に紹介したIBM iユーザー向けのPower Virtual Serverのガイドブック『IBM Power Systems Virtual Server Guide for IBM i』正式版が3月30日に公開された。英語版で全300ページ。「ドラフト版」よりも14ページ増えている。全体の章立て・構成に大きな変更はない。正式版PDFも無償でRed Booksページからダウンロードできる。

オンプレミスのIBM iをPower Virtual Serverへ移行し展開するための、データ移行、ネットワーク、バックアップ、デプロイ方法、ディザスタリカバリ、移行ユースケースなどが、サンプルシナリオやユースケースを多用して詳しく紹介されている。

読者対象は、「ITアーキテクト、ITスペシャリスト、開発者、ベンダー、そしてIBM Power Systems Virtual Serverでワークロードを実装・管理したいと考えるすべての人」(前文)。

12名のIBM Power・IBM i・AIX・クラウド・IBM Garageのスペシャリストによる共同執筆で、著者紹介を見ると、20年以上の経験をもつベテランが多数を占める。

各章の概要と目次

第1章  IBM Power Systems Virtual Server 概説

「これまでPower Systemsのワークロードをクラウドへ移行することは、どこかユートピア的な考えでした。IBM i、AIX、Linux on Powerをパブリックまたはハイブリッド・クラウドへ移行するのは、困難でコストがかかると思われるかもしれません。しかしこれらの課題は、IBM Power Systems Virtual Serverの提供により解決できるようになりました」

1.1 概要
1.2 Power Systems Virtual Serverの作成
1.3 Power Systems Virtual Serverサービス
1.4 Power Systems Virtual Serverインスタンス

第2章  IBM Power Systems Virtual Serverを用いたクラウドへの移行

「この章では、オンプレミスのIBM i LPARをIBM Power Systems Virtual Server上の仮想マシン (VM)へ移行する方法について説明します。移行戦略は、移行プロセスにおいて最も重要なステップです。すべてのお客様には独自のビジネス・ニーズがあり、正しい戦略によって移行プロジェクトを成功に導くことができます。この章では、IBM iのワークロードを移行するための各種ツールやテクニック、および各メソッドにおける要件、課題、およびメリットについて説明します」

2.1 IBM iとデータの移行
2.2 バックアップとリストアの移行

第3章  IBMクラウド・ネットワークにおけるIBM Power Systems Virtual Server

「この章では、オンプレミスとIBM Power Systems Virtual Serverの間にプライベートネットワークを設定するためのユースケースを説明します。また、本番環境と非本番環境でのネットワーキング・シナリオについても説明します」

3.1 IBM Power Systems Virtual Serverの仮想プライベートネットワーク(VPN)接続の紹介
3.2 PowerVSネットワークの概要
3.3 PowerVSネットワークのシナリオ

第4章  IBM Power Systems Virtual Server上のIBM iのバックアップ

「効果的なバックアップはデータセンターの運用にとって重要です。それはビジネスの継続性を保証し、履歴と監査用に特定のデータリカバリを可能にします。IBM Power Systems Virtual Serverは、運用ニーズに合わせてさまざまなツールを提供していますが、クラウド特有の制約をいくつか含んでいます。この章では、通常の運用に使用できる各種バックアップオプションについて説明し、バックアップ戦略の提案を行い、メソッド間の違いについて説明します」

4.1 IBM Power Systems Virtual Server上のバックアップとリストアの注意点
4.2 IBM Backup, Recovery, and Media Services (BRMS)を使ったバックアップとリストア
4.3 オブジェクトレベルのバックアップ
4.4 DSI VTL
4.5 フルシステムのスナップショット、クローニング、およびリストア

第5章  IBM Power Systems Virtual Server上でのIBM iのデプロイメントのヒント&Tips

「この章では、IBM Power Systems Virtual Server環境のナビゲーションについて説明します。内容は、IBM Power Systems Virtual Serverを使用してオンプレミスおよびクラウドでワークロードを展開・管理する際の経験や課題から導き出されたものです」

5.1 IBM iのヒント&Tips
5.2 IBM iインスタンスでのスナップショットの使用

第6章  IBM Power Systems Virtual Serverによるディザスタリカバリ

「この章では、IBM Power Systems Virtual Serversを使用したディザスタリカバリ(DR)プロセスについて説明します。また、IBM Power Systems Virtual Servers上のIBM iワークロードのDR構成の2つのフェーズと、そのメリットを最大化する方法、およびそのソリューションを使用してDR時間を改善する方法について説明します」

6.1 はじめに
6.2 ソリューションのコンポーネントと要件
6.3 オペレーティング・システム・レベルのレプリケーション – PowerHA SystemMirror for iによる使用例
6.4 論理的なレプリケーション – Bus4iを用いた使用例

第7章 オンプレミスのIBM iをIBM Power Systems Virtual Serverに移行するためのリファレンス・アーキテクチャ決定事項

「この章では、IBM iのワークロードをオンプレミスからIBM Power Systems Virtual Server on IBM Cloudに移行する例を紹介します。そしてこのプロセスにおける検討事項、アーキテクチャ上の決定事項、問題または仮定、代替案などのついて説明します」

7.1 はじめに
7.2 仮説ケースの概要

付録A. IBM iのライセンスに関する考慮事項

「付録Aでは、IBM Power Systems Virtual ServerにおけるIBM iのライセンス情報に関する重要な考慮事項を説明します。IBMは、IBM iのマルチクラウド戦略を推進しています。そのため、IBM iをクラウドへ移行する過程の一部として、基本OSとライセンスプログラム製品(LPP)を考慮することが重要です」

付録B. IBM i on IBM Power Systems Virtual Serverに関するFAQ

「付録Bでは、IBM Power Systems Virtual Serverに関するFAQを提供します」

 

・『IBM Power Systems Virtual Server Guide for IBM i』ページ
https://www.redbooks.ibm.com/redpieces/abstracts/sg248513.html?Open&pdfbookmark

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