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簡単、早い、低コスト。設定済みの機器で構成するクラウド型センサーシステム「Swift Sensors」

 

 モノやコトの状態・状況・変化を先進のセンシング技術を用いて捉え、可視化・分析・対処するIoTの動きが大きく拡大している。調査会社IDC Japanによると、日本のIoT市場は2017〜2022年の6年間に年平均14.9%で成長し、2022年には12兆4634億円に達するという。

 しかしながらIoTの導入・運用は、さまざまな技術、要素、スキルの問題が絡み合い、そう簡単には進まない。「たとえばセンサーを選択するにしても、多種多様にある製品からどれを選ぶのか、データを送るネットワークはどうするか、ダッシュボードは自社開発かツールの利用か、など検討すべき事柄が多々あるので、その検討だけで疲弊してしまい、導入に至らないケースが非常に多くあります」と、イグアスの保江佳信氏(Cloud&Solution事業部 テクニカル推進部)は指摘する。

 そこで、「15分で始められるIoT」をキャッチフレーズに、イグアスが6月から販売を開始したのが、クラウド型センサーシステムの「Swift Sensors」である。

 Swift Sensorsの特徴は、簡単、早い、低コストである。仕組みは、用途・目的別に最適化された「センサー」を、計測する場所やモノに配置すると、ブリッジが圏内のセンサーを自動検知してデータを受信し、それをワイヤレス、セルラー、イーサネットのいずれかの方式でクラウドセンターへ送信し、PC、タブレット、スマートフォンで監視・分析する、というものだ(図表1)

 

 

 センサーはワイヤレスなので配線は不要(図表2)。ブリッジは電池式の小型アプライアンスで、センサーやクラウドセンターとの通信があらかじめ設定されているので、こちらもソフトウェアのインストールや設定・チューニングなどが不要だ(図表3)。つまりSwift Sensorsは、センサーとブリッジを設置さえすれば、すぐに利用可能になるのが大きな特徴である。イグアスではこれを「ブラグ&プレイ」として強くアピールしている。

 

図表2 センサー

図表3 ブリッジ

 

 

 

 センサーの種類は30種類。温度、湿度、大気、振動、水漏れ、ドア開閉、動作・活動、接触・接続、電流、電圧など対象別にデバイスが用意されている(図表4)。たとえば、倉庫内の温度・湿度、一酸化炭素濃度、振動を計測する場合は、「温度・湿度センサー」「一酸化炭素センサー」「振動センサー」を併設して利用する。

 

 

 計測したデータを監視・可視化するダッシュボード機能は、Swift Sensorsの利用料金に含まれ、PC、タブレット、スマートフォンで利用できる。センサーごとに複数のしきい値とアラートを設定でき、SMS、メール、電話で通知を受けることが可能だ(図表5)

 

図表5 ダッシュボード

 

 

 またSwift Sensorsは、クラウドカメラのEagle Eyeと連携して、リアルタイムの動画像でモニターが可能である(図表6)。これまでのIoTでは困難だったソリューションで、Swift Sensorsの特徴の1つである。

 

図表6 Eagle Eyeとの連携によるドアの開閉監視

 

 センサーの販売価格は1個1万円、ブリッジは各5万円。クラウド利用料として1センサーあたり2000円が月額課金される。

 主な販売対象は、食品製造業、外食チェーン、生産設備、交通、輸送、データセンターなど。イグアスの東一也氏(Cloud&Solution事業部 営業部 部長)は、「Swift Sensorsは、ITやIoTのスキルをもたない業務部門の担当者でも導入・利用が可能で、IoTのすそ野を大きく広げるソリューションです」と語る。

[IS magazine No.20(2018年7月)掲載]

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