日本IBMは7月28日、IBM Institute for Business Value(IBV)が実施した最新の調査であるCEOスタディ2026「経営の連携を組み替える -AIファースト企業への経営実践」の日本語版を公開した。
同調査では、AIの急速な進展を受けて、最高経営責任者(CEO)が企業全体でより大きなビジネス・インパクトを創出するため、経営層自身の役割の再構築(リワイヤリング)を進めていることが明らかになった。
同調査の序文において、IBM副会長のゲイリー・コーン(Gary Cohn)氏は、次のように述べている。
「CEOの役割はこれまでも常に、破壊的変化の中で組織を導くことにありました。AIが変えるのは、リーダーシップに求められる速度と、その判断がもたらす影響の大きさです。成功する企業は、AIをテクノロジーのレイヤーとして捉えるのではなく、新たなオペレーティング・モデルとして捉え、『AIファースト』でビジネスを運営するようになります。意思決定のサイクルは劇的に短縮され、部門間の壁は取り払われます。競合他社よりも速く学び、適応し、実行できる企業が優位性を獲得するのです」
IBM CEOスタディ 2026では、日本を含む全世界で2000人のCEOを対象に調査した結果、AIが企業に広く浸透する中、CEOは経営陣の在り方や意思決定の進め方、組織構造の見直しを迫られていることがわかった。
調査結果の主なポイントは、以下の通りである。
・およそ8割(世界76%、日本84%)の組織がすでにCAIO(最高AI責任者)を設置しており、2025年時点でのおよそ3割(世界26%、日本34%)から大幅な急増
・AIファーストのマインドセットで経営層の再構築を進めている組織は、全社規模で展開しているAI施策の数が同業他社よりも10%多い
・およそ6割(世界64%、日本62%)のCEOが、AIが生成した情報に基づいて重大な戦略的決定を下すことに抵抗がないと回答
・およそ8割(世界83%、日本85%)のCEOが、AI主権を確立・維持することはビジネス戦略に不可欠であると同意しており、AIが企業全体でより大きな役割を果たす中で適切な管理体制を持つことの重要性を強調
・CEOの9割弱(世界86%、日本88%)が、従業員にはAIと協働するスキルがあると述べているにもかかわらず、従業員のわずか25%(世界、日本で同じ)しかAIを日常的に仕事で活用していないと回答
新たな課題には、これまでと異なるリーダーシップが求められる
・CEOのおよそ8割(世界85%、日本83%)が、すべての機能部門のリーダーに対し、自身の領域におけるテクノロジーの専門家であることを望んでおり、AIに関する責任は専門職以外にも広がりつつあることを示している
・CAIOを設置している組織では、2030年までにCAIOの影響力はさらに高まり、経営層全体の影響力も高まると予測
・CEOのおよそ6割(世界59%、日本60%)が、今後数年間でCHROの影響力が増すと回答
CEOがAI主導の意思決定にシフトする中で、ガバナンスと統制はより重要になる
・一貫性とガードレールをルール化できる領域において、調査対象のCEOは、2030年までに人間の介入なしにAIが行う業務上の意思決定の割合は48%(世界、日本で同じ)になると予想しており、これは現在の25%(世界、日本で同じ)からほぼ倍増
・CEOのおよそ8割(世界79%, 日本76%)が、AIが企業全体でより重要な役割を果たすようになる中、意思決定の分散化と説明責任の分担を進めていると回答
AIの成功を左右するのは、人である
・CEOのおよそ8割(世界83%、日本76%)が、AIの成功はテクノロジーよりも人々の受容・活用にかかっていると回答
・2026年から2028年の間に、CEOは29%(世界、日本で同じ)の従業員が異なる役割のために、約半数(世界53%、日本52%)が現在の役割をより効果的に遂行するためのスキルアップが必要だと予想
・テクノロジー、財務、人事、オペレーション、部門横断的コラボレーションという5つのコア・ビジネス領域を再設計した組織は、ビジネス目標を達成している可能性が4倍高い
すでにCEOの4分の3(世界77%、日本76%)が、人材とテクノロジーのリーダーシップの役割が融合しつつあるという見解に同意しており、人材、テクノロジー、戦略の統合がより緊密になってきていることを示唆している
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