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IBM Bob Premium Package for i(PP4i)徹底解説 ~IBM i開発を変えるAI活用の実践ガイド <前編>PP4iの概要

i Magazine 2026 SUMMER号掲載
「特集 IBM Bob」Part2を全面改稿

「i Magazine 2026 SUMMER」号で「特集 IBM Bob」を掲載しました。しかし、同号の発行直後に「IBM Bob V2」と「Premium Package for i」がリリースされ、IBM Bobを取り巻く製品・機能体系は大きく進化しました。そこで両製品と密接に関わるPart 1について、最新情報を反映する形で以下に著者が全面的に改稿しています。

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昨今、IBM iを利用するユーザー企業の開発現場では技術者の世代交代、保守業務の効率化、段階的なモダナイゼーションへの対応が求められている。

こうした背景の中で注目されているのが、2026年6月24日にリリースされた、IBM Bobの拡張パッケージである「IBM Bob Premium Package for i(以下、PP4i)」である。

本稿では、PP4iを「何ができるのか」「どのように使い分けるのか」「現場で活かすには何に注意すべきか」という視点から解説する。

PP4iとは何か 

IBM BobとPP4iの関係 

IBM Bob単体でも、IBM i開発を支援するための知識やスキルを備えている。RPG、CL、DDS、COBOL、Db2 for iに関するコード生成や説明、レビュー、テスト支援などを実施でき、既存資産の理解や開発効率向上に活用できる。

一方でPP4iは、IBM BobにIBM i環境との統合機能や専用機能を追加するパッケージである。これにより、実際のIBM i 環境と連携しながら、より高度で実践的な支援を受けられるようになる。

IBM BobとPP4i追加後の違い 

IBM BobとPP4i追加後の違いは、図表1のとおりである。

図表1 IBM BobとPP4i追加後の違い

PP4iによって追加される7つの価値 

PP4iは、以下のような7つの価値を追加すると考えられる。

❶ IBM iシステムとの直接統合
QSYSやIFS上のソースコードを参照しながら、調査、修正、コンパイル、テストまで一連の流れで実施できる。

❷ IBM i専用モード
IBM i DeveloperモードとIBM i Databaseモードにより、アプリケーション開発とデータベース作業を使い分けられる。

❸ IBM i 専用スキル
RPGレビュー、DDS解析、SQLチューニング、モダナイゼーション支援など、IBM i 固有の作業に適した知識を活用できる。

❹ IBM i 専用ツール
Read、Edit、Execute、Build、Test、Documentationといったツールにより、IBM i 上の情報を直接扱える。

❺ IBM i 専用ワークフロー
RPG Modernization、Business Rules Extraction、RPGUnit関連、SQL Index Strategy Advisorなどの複数ステップの作業を効率化できる。

❻ IBM i 専用スラッシュコマンド
ER図を作成する「/erd」やDb2 for i用のSQLをベストプラクティスに基づいてレビューする「/review_SQL」など、定型作業を短いコマンドで実行できる。

❼ IBM i 向けRAG
IBM Documentationなどを検索しながら、より正確で最新の情報を根拠として回答できる。

<ポイント>
PP4iの価値は、IBM Bobの知識を補完するだけではなく、IBM i の実環境、開発ルール、ワークフロー、最新情報を組み合わせて活用できる点にある。

PP4iがもたらす3つの価値

PP4iは、以下のような3つの価値をもたらすと考えられる。

価値1:既存資産の理解
長年運用されてきたRPG、COBOL、CL、DDSを読み解き、処理内容の説明、影響範囲の整理、業務ルールの抽出、ドキュメント化を支援する。

価値2:日常開発の効率化
RPGやCLの修正、SQL作成、コードレビュー、テストコード生成、ドキュメント作成など、日常の開発作業を支援する。

価値3:モダナイゼーション支援
固定形式RPGのフリー形式化、OPM RPGからILE RPGへの移行、RLAからSQLへの移行検討、サービスプログラム化など、段階的なモダナイゼーションを支援する。

PP4iの機能構成

PP4iは、図表2のようにモード、スキル、ツール、ワークフロー、スラッシュコマンド、RAGを組み合わせてIBM i 開発を支援する。

図表2  PP4Iの全体構成

2つのIBM i 専用モード 

PP4iは図表3のように、IBM i専用の2つのモードを備えている。

IBM i Developerモード
RPG、CL、DDS、COBOL、テスト、ビルド、モダナイゼーションなど、アプリケーション開発全般に向くモードである。

IBM i Databaseモード
Db2 for i、SQL作成、SQLレビュー、パフォーマンス分析、インデックス設計など、データベース関連の作業に向くモードである。

図表4  PP4i専用ツール

ツール・スキル・スラッシュコマンド

PP4i専用ツール

PP4iは図表4のような専用ツールを備えている。

図表4  PP4i専用ツール

IBM i 専用スキル 

PP4iには、RPG、CL、DDS、Db2 for i、Unit Testingを対象とした専門スキルが組み込まれている。これらは会話内容に応じて自動的に利用される。

◎固定形式RPGからフリー形式RPGへの変換
◎OPM RPGからILE RPGへの移行
◎RLAからSQLへの変換
◎RPGコードレビュー、デバッグ支援
◎DDSからDDLへの移行検討
◎SQL性能分析、インデックス設計支援
◎RPGUnitによるテスト支援

スラッシュコマンド 

/erdは、Db2 for iのテーブル定義を解析し、図表5のようなMermaid形式のERDを自動生成する。

図表5 Mermaid形式のERD

 

/review_SQLは、SQLステートメントをレビューし、可読性、保守性、セキュリティ、性能の観点から改善提案を行う(図表6)。

図表6  PP4iによる改善提案

5つの主要ワークフロー 

ワークフローは、複数の作業手順をあらかじめ定義した実行テンプレートである(図表7)。IBM Bobが段階的に処理を進めることで、モダナイゼーションやテスト自動化などの複雑な作業を効率化できる。

図表7  PP4iのワークフロー

ワークフローを開始する際は、「Start Workflow」からワークスペースを選択し、使用したいワークフローの横にある「開始」ボタンを選択する(図表8)。

図表8 ワークフローの開始

 

<後編>につづく

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