事例|プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社

HAツールからJOURNAL
/400へ切り替え

コンパクトで高性能、しかもエレガントなボディシェイプ。車ファンなら一度は憧れるフランスのプジョーとシトロエン。そのプジョー・シトロエン・ジャポン株式会社は、4 年ほど前から事業継続の仕組みを抜本的に変える取り組みを続けてきた。

発端は、それまで使用してきたHAシステムのライセンス費用が高く、見直しの要請が入ったことと、基幹システムだけでなく各種システム搭載のWindowsについてもバックアップが必要という意見がシステム部内で上がったことだった。

約1年間の検討の末、バックアップ用ツールを旧来のHAシステムからヴィンキュラム ジャパンのJOURNAL/400(現Hybrid SYNC)に切り替え、かつデータセンターもより安全度の高い別の施設に変更した。

「従来のデータセンターは、今後Windowsのバックアップ用サーバーを配置するとなると設備面・施設面で最適ではないと判断し、IBM iを機種変更したのを機に変更しました。ロケーションを従来と同じ大阪にしたのは、東京からのアクセス手段が多様だからです。万一、東京のシステムが壊滅的な被害を受けても、別の場所で運用を継続することを考え、アクセスしやすいロケーションを選びました」と財務・管理部の室雅雄システム グループマネジャーは説明する。

室 雅雄 氏 財務・管理部 システム グループマネジャー
室 雅雄 氏
財務・管理部 システム グループマネジャー

また、JOURNAL/400を選定したことについては、「従来のHA 製品と比べて費用を約1/5に抑えられるのに加えて、AUTO/400を以前から使っていて同社の製品に好印象を持っていたのが後押しになりました。ただし、最終的な決定までには、JOURNAL/400 がカタログスペックを本当に実現できるのか、入念に確認しました」という。例えば、プログラムの処理中に突如ダウンした時、どのようなデータの整合性が取れるのか。

「当社としては、データをその日のスタート時の状態に戻す方針でしたが、ヴィンキュラムジャパンの説明では、プログラム処理中のデータには不整合が起きるが、不具合はそれだけに限られ、それ以外のデータには問題がないので、システムをそのまま稼働させて事業を継続したほうがよいというものでした。同社の技術陣が太鼓判を押したので決断しました」(室氏)

 

Windowsサーバーも
遠隔バックアップ

そして今年2月、本社側Windowsサーバーのバックアップデータを受けるファイルサーバーのセットアップを、大阪のデータセンターで完了した。WindowsサーバーのバックアップにはWindowsのDFS(分散ファイルシステム)機能を使用する。また、これに先立ち、東京のWindowsサーバーをすべて入れ替えて仮想化対応とし、大阪でも事業継続に必要なWindowsサーバーを新規導入し、仮想化した。

プジョー・シトロエン・ジャポンでは今年9月末の完成を目指して、事業継続に向けた取り組みを継続中である。

1つは、7 月末に岡山県倉敷市に緊急時のヘッドオフィスを開設する。本社オフィスが使用不能になった時に業務スタッフが使うためのもので、ブロードバンド回線を引き、PCを十数台とプリンタなどを備える。ここから大阪のバックアップセンターにアクセスし、業務を継続する計画だ。

また、7月中旬には、2台目のバックアップ用サーバー(Power 515)を導入した。従来は、本番機の1区画(全部で5区画。本番用3区画、開発用2区画)で稼働させている基幹システムが対象だったが、2台目では別区画のディーラー用システムが対象となる。これにより、東京に配置しているIBM iおよびWindowsの大半のサーバーのバックアップシステムが完成した。

さらに、同じく9月末に、ネットワークの大幅な拡張・再編を行う予定である。

主な点を挙げると、1つは、仏本社と東京を結ぶ、以前から2 重化されていた回線の危険分散である。従来は、グローバルWANからの2重の引き込みを同一ラック内の2 つのルータで受けていたが、これを別々の2 つのルータに分け、さらにそのうちの1つのルータを東京本社内のサーバー室とは別の場所に設置する。また現在、グローバルWANから大阪のデータセンターへ回線は引かれていないが、新たに2回線を設け2重化させる予定だ。

「 当初の計画では1回線としていましたが、東日本大震災の惨状をみて、2 重化することにしました。日本法人の経営陣と仏本社では今回の震災を相当深刻に受け止め、4 年来の事業継続プランの見直しと拡充を指示してきています」(室氏)


事業継続計画を

改訂中

室氏は現在、日本法人の事業継続計画を改訂中だ。「Windowsサーバーのバックアップシステムを導入したのと緊急時のヘッドオフィスを開設するので、それに見合った内容に改訂しています」。

この事業継続計画には、本社被災の状況と発災時刻の違い(スタッフの居場所の違い)により4パターンのリスクシナリオを盛り込む予定。室氏については、「発災時、本社スタッフと連絡がつかなければ迷わずに大阪のデータセンターへ向かう」ことなどが決められているという。

「 9月末にシステムの拡張・再編が完了し、併せて事業継続計画がまとまれば、システムと運用の両面で、どのような災害が起きても事業継続が可能な体制が整備できます。その後は、年に1回、仏本社やヴィンキュラム ジャパンを巻き込んで災害対策訓練をしていくことが最も重要になると考えています。事業継続計画を企業の中で血とし肉としていくことが課題です」と室氏は言う。img_56fd5fd822c33

COMPANY PROFILE
設 立:2008年(プジョー・ジャポンとシトロエン・ジャポンが合併)
本 社:東京都渋谷区
資本金:4 億円
従業員数:112名
http://www.peugeot.co.jp/ http://www.citroen.jp/