IBMとGoogle Cloudは6月4日、企業におけるAIの本番導入拡大と基幹システムのモダナイゼーション加速を目的とした、新たな「Google Cloudプラクティス」の立ち上げを発表した。
このパートナーシップにより、IBMはGoogle Cloud上で、エンタープライズ向けAIエージェントの設計・構築・運用を直接支援できるようになる。
具体的には、IBMのAI主導型プラットフォーム「IBM Consulting Advantage」と、Google Cloudの「Gemini Enterprise Agent Platform」、サイバーセキュリティ機能、データ活用基盤を組み合わせることで、企業のAI導入や既存システムのモダナイゼーションを推進する。
両社は、この新たなプラクティスにより、IBMおよびGoogle Cloud双方にとって数十億ドル規模のビジネス機会につながるとしている。
IBMは現在、「AI」「ハイブリッドクラウド」「量子コンピューティング」を重点戦略分野として掲げ、積極的な投資と事業拡大を進めている。
今回の提携は、AIとハイブリッドクラウドの両分野にまたがる取り組みであり、IBMは同様の協業をAWSやMicrosoft Azure、Oracleとも推進している。ハイブリッドクラウド分野では、IBMの技術・製品をGoogle Cloud、AWS、Azure、Oracle Cloud上で展開し、IBM自身が導入・運用支援を行う体制を強化しており、今回のパートナーシップもその戦略の一環と位置づけられる。
今回のプラクティスにおける主な重点領域は以下のとおり。
■ 本番運用対応AIおよびデータ
IBMの業界知識とAI資産を、Google CloudのGemini Enterprise Agent PlatformおよびBigQueryと組み合わせることで、PoC(概念実証)にとどまらない、実運用可能な高度AIシステムの基盤構築を支援する。
■ 業界特化型ソリューション
航空宇宙、金融サービス、政府、医療、通信などの業界向けにAIおよびデータ活用機能を提供する。Confluentによるリアルタイムデータのストリーミングおよびガバナンスも組み合わせ、AIシステムによる業務最適化、リスク予測、業界固有の規制対応を支援する。
■ サイバーセキュリティ運用のモダナイゼーション
AI主導型の防御・セキュリティ機能を提供し、セキュリティ体制の強化とインシデント対応の迅速化を図る。
■ ハイブリッドクラウドのモダナイゼーション
高度な規制業界を含む企業向けに、オンプレミスおよびクラウド環境にまたがる重要ワークロードの刷新を支援する。Red Hat OpenShiftはGoogle Cloud Consoleから直接利用可能となった。
■ AI主導型ワークフローの強化
Geminiをwatsonx Orchestrateと統合することで、意思決定の自動化とエージェント機能を強化する。また、watsonx.dataとの統合により、柔軟なインサイト生成を実現し、スマートアプリケーション開発を支援する。
■ 運用レジリエンスとガバナンス
HashiCorpおよびApptioを活用したIBMの自動化技術とGoogle Cloud AIを組み合わせ、監視、コンプライアンス、性能管理の高度化を支援する。
[i Magazine・IS magazine]







