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IBM、IBM iのサブスクリプション・ライセンスにエントリー向けの低価格オプションを追加

IBMは4月2日、期限切れでないIBM i OSライセンスをサブスクリプション・ライセンスへ切り替える際の低価格オプションを発表した。

3月12日に発表されたように、5月7日から、特定のIBM Power10プロセッサ搭載サーバーを新たに導入するユーザーに対して、サブスクリプション・ライセンスが提供される。これは、以下のマシン・タイプが対象。

IBM Power S1014 (9105-41B) 4コア・プロセッサ(P05)
IBM Power S1014 (9105-41B) 8 コア・プロセッサ(P10)
IBM Power S1022 (9105-22A) (P10)
IBM Power S1022s (9105-22B) (P10)

これらのマシン・タイプを購入する場合、以下の IBM i ライセンス・オプションが利用可能となる。

・IBM i サブスクリプション・ライセンスを取得または更新する。
・IBM i の期限切れでないライセンスを、より低価格のサブスクリプション・オプションで IBM i サブスクリプション・ライセンスに変更する。IBM i の期限切れでないライセンスの譲渡はサポートされない。IBMは現在、この低価格のサブスクリプション・オプションへの変換をサポートしている。

◎日本向けIBM i コンバージョン・オファリングのE-configサポート

5月14日より、日本国内において、e-config は上記の IBM i P05 および P10で特定のPower10 プロセッサ搭載サーバーを購入する場合、IBM i の期限切れでないライセンスから、より低価格なIBM i サブスクリプション・ライセンスへの移行をサポートする。

◎期限切れでないライセンス・プログラム製品(LPP)を持つ IBM i サブスクリプションの E-config サポート

これまで IBM では、IBM i サブスクリプション・ライセンスと同じ注文に有効期限が切れていない ライセンス・プログラム製品(LPP)を追加できなかったが、5月28日以降は、同じ注文で選択した、期限切れでないLPPを追加できるようになる。

・・・

以上が4月2日に米IBMからリリースされたアナウンスレターの内容である。タイトルは「IBM i は、P05 および P10の特定の IBM Power10 プロセッサ搭載サーバーを購入した場合、期限切れでないライセンスをより低価格のサブスクリプション・オプションでサブスクリプション期間に変更する」。このわかりにくいタイトルの示す内容が、今回の発表のほぼすべてである。

ちなみに、IBMはこれまでlicensesを形容するために使用していた「perpetual(永久的な)」という言葉を、「non-expiring(期限切れでない)」という言葉に置き換えている。「期限切れでないライセンス」は、今まで使用されてきた永久ライセンスを意味する。

IBMはIBM iについて、今までの永久ライセンスから、ソフトウェアライセンスとテクニカルサポートを一括したサブスクリプション・ライセンスへ、全面的な移行を実施している最中である。

当初、IBM i向けの永久ライセンスの販売は3月26日に終了すると発表していたが、2月20日になって、販売終了期日を5月27日へ変更すると発表した。

さらにIBM iの利用の大半を占めるエントリーモデルのユーザーに対して、低価格なサブスクリプション・オプションに関する開発意向表明を明らかにしており、それが今回の発表であると考えられる。

また4月2日のアナウンスレターでは、既存のIBM i永久ライセンス(IBM i 7.3、7.4、7.5)は5月7日以降、Power10へ移行できないことが注意喚起されている。

IBM iのサブスクリプション・ライセンスへの移行の経緯は以下のようになる。

2022年5月
IBM i、IBM Power S914 4コア・プロセッサのサブスクリプション価格を提供

2023年2月
すべてのIBM iソフトウェア(P05/P10/P20/P30)がサブスクリプションとして利用可能に
Merlin (IBM i ライフサイクル統合のためのモダナイゼーション・エンジン) がサブスクリプションで利用可能に

2023年5月
Rational Developer for i (RDi) がサブスクリプションで利用可能に

2023年8月
一部の期限切れでない IBM i ライセンス製品のライセンス・ソフトウェア機能を廃止

2024年1月
バックアップ、リカバリー、メディア・サービス (BRMS) (5770-BR2) はサブスクリプションとして利用可能に
クラウド・ストレージ・ソリューション for i (5733-ICC)がサブスクリプションとして利用可能に

2024年2月
IBM i ソフトウェアのライセンス販売終了を2024年3月26日から同年5月7日に変更

2024年3月
・IBM i OSサブスクリプション・ライセンスの購入または更新
・期限切れでないIBM i OSライセンスをIBM i OSサブスクリプション・ライセンスへ切り替える際の低価格オプションの提供(上述「開発意向表明」の実施)
・新しい特定のPower10マシンを取得する際に、期限切れでないIBM i OSライセンスを移行する機能を廃止する
・IBM i OSサブスクリプション・ライセンスに「登録機能コード(registration feature codes)」を追加する。IBM i OSサブスクリプション・ライセンスの注文処理とトラッキングに使用する目的
・P05マシンのIBM i OSサブスクリプションは、ユーザー数の選択が5ユーザー単位から10ユーザー単位へ変更される

 

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