「ILE & FF RPGのススメ」で考えるFF RPGの課題 ~ RPG Ⅲの技術者が乗り越えるべき壁とは何か

text:高橋 昌宏 ソリューション・ラボ・横浜

RDiの操作や
プログラムの記述方法が課題に

FF RPGの導入を検討するに際しては、いろいろな課題が出てくるだろう。それは、「RPG Ⅲ技術者はFF RPGを習得できるのか」、そして「FF RPG技術者への転換が必要なのか」という課題だ。

RPG技術者にとって、FF RPG採用にはいくつか乗り越えるべき壁がある。まず、フリーフォームでコーディングするには、RDiが基本となる点である。RDiは長年親しんできた5250エディタと比べると、操作方法をはじめ異なる部分が多く、かなり違和感がある。文字が小さくなる点も辛いだろう。

実際、RDiの基本ハンズオントレーニングを実施すると、「文字を大きくできないか」と質問を受けることがある。5250エディタで無理矢理にフリーフォームコーディングすることもできなくはないが、常にエラーとして反転するなど、あまり推奨できない。

このように開発環境1つをとっても、FF RPGへの転換はRPG Ⅲ技術者にとって大きな壁になる。

それでは次に、プログラムの書き方を見てみよう。

リスト1の例は一部だが、F仕様書はそれほど変わりなく、違和感が少ないのに対し、それ以外はかなり違和感があるのではないか。パラメータやKEYLISTの定義方法も変わってくる。

 

リスト1

 

またRPG技術者には親しみのあるオプション標識も、FF RPGでは廃止された。標識を条件文の代わりに使用して、多用しているユーザーも多いだろう。そしてFF RPGではサポートされなくなった命令が、数多くある(図表5)。

 

図表5 フリーフォームでのコーディング方法

RPG Ⅲ→ILE  RPG→FF RPG
段階を経たスキル習得

PHPやJavaなどを習得するよりは、まだ難易度は低いと思うが、RPG Ⅲ技術者は経験年数も長いので、新しいスタイルのRPGを受け入れるのに抵抗があるかもしれない。

実際にFF RPGの勉強会を実施したところ、RPG Ⅲ技術者からは「FF RPGは読みにくく、非常にハードルが高いと感じた」との意見があり、逆にオープン系技術者からは「5250の黒画面が苦手で、RDiで行うFF RPGはとても読みやすかった」との意見が寄せられた。

その点を踏まえ、「RPG Ⅲ技術者はFF RPG技術者への転換が必要なのか」との問いには、「FF RPGは敷居が高いが、RPG Ⅲ技術者も新しいステップへ進む必要がある」と答えたい。

前述したように、RPG Ⅲを使い続ける限り、機能拡張は期待できず、今後発生するであろう企業の新しい業務・経営要件には追随できない。

そのためRPG Ⅲからの離脱、そしてILE RPG、FF RPGへの転換が必要不可欠となる。そのうえでFF RPG技術者への転換を選択するのであれば、習得ステップが重要となる。

FF RPGの採用に際してはILE RPGの習得が必要であり、いきなりRPGⅢ→FF RPGではなく、RPGⅢ→ILE RPG→FF RPGといった段階を経るのが理想である。

もしFF RPG習得の過程で、ILE RPGでスキル習得が停止したとしても、そのステップの恩恵は決して少なくない。ILE RPGでも、EVALの採用やIFEQをIF A=Bと記述することなどで、オープン系に近づけるからだ。

関数の利用をはじめ、RPG Ⅲではできなかったことを少しずつ習得し、ILE RPGを使いこなしてからFF RPG技術者へ成長してはどうだろうか。


著者|高橋 昌宏氏

ソリューション・ラボ・横浜株式会社
ソリューション事業統括
西日本支店 支店長

福岡県生まれ 50歳。22年間、福岡のSIerでIBM i関連の仕事に従事。2020年に転職後も同様にIBM i関連の仕事を継続。長年、IBM iのテクノロジーに魅了され、技術者としてさまざまな取り組みを実施。近年はプロジェクトマネジメントに主軸に置きながら、Web対応をはじめとした新しいIBM i活用の取り組みを行っている。

 

特集 ILE & FF RPGのススメ

❶FF RPG採用のメリット|IBM i技術者問題を解決し、ソース管理を高度化する「ILE & FF RPGのススメ」 ~RPG Ⅲを脱却し、プログラム資産をより有効に活用

❷FF RPG導入の課題|FF RPGの技術者が乗り越えるべき課題

❸FF RPGの習得|ILE RPGの理解がFF RPGをより魅力的にする

❹FF RPGの導入と習得|RPG Ⅲ技術者とオープン系開発者 スキルに応じた習得ステップ

❺特別座談会|FF RPGをメインに据えたRPG研修サービスを展開

 

[i Magazine 2021 Autumn(2021年10月)掲載]

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