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<Column 3> ミドルウェアのコンテナ化対応

 これまでミドルウェアは、あるシステム構築プロジェクトや単体サーバー(VM)ごとに最適化してソフトウェアを選定・導入(購入)することが多かったと思われる。
 
 しかし今後、ハイブリッドクラウド化やコンテナ化が進むと、必要かつ最適なミドルウェアソフトウェアやライセンスなどが動的に変化し続けると予想される。
 
 すると従来のように、現時点の特定要件に最適化した(無駄を省いた)ミドルウェアを導入(購入)するのではなく、柔軟性をもった複数ミドルウェアを包含したミドルウェアパッケージ的な製品やライセンス体系が重要になると思われる。
 
 IBMの場合、Middleware Anywhere という考え方で、新しいミドルウェアパッケージが登場している。「IBM Cloud Paksシリーズ」がそれで、ユースケースごとに最適化した5つのパッケージ群(コンテナ化したオープンソースやIBMソフトウェアを事前統合)の提供を開始している。
 
 
 
 
 たとえば「IBM Cloud Pak for Data」は、データベースなどデータを取り扱うユースケースに必要なミドルウェア群をパッケージで提供し、「Cloud Pak for Integration」ではシステム間のインテグレーションに必要なAPIやESB、データ転送機能(MQやAsperaなど)をパッケージングしている。
 
 2~3年以上のスパンで必要なミドルウェアや数量の可変にも対応し、パッケージ内にすべて同梱されているので、その都度新たなミドルウェアを調達しなくともよい。Cloud PaksはKubernetesベースの企業向けコンテナプラットフォーム「Red Hat OpenShift」に最適化されており、オンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウドの各ベンダーに対応し、シームレスに利用できる。
 
 

著者|

佐々木 幹雄

 
日本アイ・ビー・エム株式会社
システム事業本部 Power Systemsテクニカル・サポート
コンサルタントITスペシャリスト
 
AS/400誕生とほぼ同時期からIT業界に関わる。IBM i やPC、ネットワーク機器など一般企業のIT基盤の提案・構築、アーキテクトなどを幅広く経験。IBM i エバンジェリストとしての活動もある。
 

 

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特集|IBM iのマイクロサービス化

 
 
 
 
 
 
 
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Column 1 OpenShiftかKubernetesか
Column 2 どこでもKubernetes
Column 3 ミドルウェアのコンテナ化対応
Column 4 SCNは戦略策定のためのフレームワーク
Column 5 ハイブリッドクラウド移行(中期)計画を作る
Column 6 アジャイルはSoEだけのものか?
Column 7 IBM iサービスとDb2 for iサービス
Column 8 IBM iのクラウドサービス
Column 9 コンテナテクノロジーを導入しても、イノベーションは起きない

[i Magazine 2020 Spring掲載]

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