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デバッグの後のちょっと一杯|「不測の事態」への備え(策定ポリシー確定)について(西橋久陽)

 

株式会社ウエスト・ブリッジの西橋でございます。

今年もステイホームのゴールデンウイーク、皆様いかがお過ごしでしょうか。

私は先月半ばから4年ぶりの風邪をこじらせてしまい、ようやくこのゴールデンウイークに筋トレまで再開できるようになりました。

「えっ、ほんとに風邪?」と思われる方も多いと思いますが、ご心配なく大丈夫です。今回ばかりは出どころがはっきりしておりまして・・・デビューしたての「お孫さん」からいただきました(お聞き苦しいWeb会議に参加された皆様、すみませんでした。またご心配をおかけしました)。

とくに最近はウイルス・風邪など感染症対策でマスク、手洗い、手指消毒などの衛生面や、外出時でも距離をとり、密を避け、時短を心がけ、怠りなく備えをしていたのですが(自己評価)、「不測の事態」は突然襲ってくることを痛感いたしました。

そこで今回は、いつも突然襲って来る「不測の事態」への備え(策定ポリシー確定)についてお話しします。

これまでシステム関係者として事業継続(BCP)対策に多々関わってきて、「危機管理・事業継続策定」には、まずは各社各様の策定ポリシーが重要だと感じていたので、ポリシー確定の参考になればと思います(本掲載はあくまで私見とはなります、ご容赦下さい)。

さて策定ポリシーを確定するには、「わかること(確定できること)」と「わからないこと(想定しなくてはならないこと)」の2つを検討することが必要です。

はじめに「想定しなくてはならないこと」(災害・有事など相手方に依存する事象)ですが、昨年から続くこの「コロナ」は、まさに我々の直近の危機です。

おそらく皆様も、「このコロナって奴そのものがわからない(いつ、どこで、 何が起こる?)」、そして「こんなの、いつまで続くかわからない」という点に毎日不安を掻き立てられるのではないでしょうか。

このことはコロナに限らず、大地震・軍事攻撃などの災害・有事においても最大の懸念事項です。そうです「いつ、どこで、何が起こるか、そしていつまでなのか」です。しかし、これらをコントロール(確定)することはなかなか難しい。

そこで危機管理・事業継続対策のご担当者は、多くの専門家の意見、ネットを含めた世の中のさまざまな知見や経験値などを参考に、「対処すべき危機を想定」して、各社各様のプランを策定されていると思います。

この「想定」は各対策の大変重要な「変数」となりますが、この「変数」に予想以上の値が入るような場合が、「想定外」になります。なので「想定」という作業は、責任重大事項です(今日のコロナは日々、「想定外」なのかもしれません)。

この「想定」はかなり幅広で、深く、キリがありません。なのでレベルごとに、複数プラン(想定)をあげておくことをお勧めします。

そしてもう1つの「確定できること」ですが、それは「現状業務(今の仕事の流れなど)の確認」です。これら現状業務はほぼシステム化されているので、まずはシステム面から「現状確認(業務の棚卸し)」をしていきましょう。

これは簡単、当たり前と思われるかもしれませんが、「現状確認」を進めていくと、「動いていないプログラムがたくさんある」「この処理なんでまたやってるの」「ああ、それ超大事でもブラックボックス」など思わぬ伏兵に悩まされ、「あー面倒」「うちでは無理」などとよく耳にします。

結果、「使えない」「切り替えできない」「動かない」などとならないよう、「現状確認」には「人、時間、予算」を、ここは惜しまずにお願いします(めげずに何度でも上層部への上申頑張ってください)。

「システム(業務)の棚卸し」をすると、「ダイエット」するところも見えてくるので、できればスリム化までできれば、今後のシステムの見直しやモダナイゼーション、クラウド移行などでも効いてきます(昨今はこちらの名目での上申もありですね)。

そして自社業務全般からの「現状確認(手作業にできること)」です。

「手作業でどこまでできる」を見極めておく。「印刷できない」「システムが動かない」「電気が来ない」など、これらも何度となく発生しています。これらは災害・有事でなくても起こりますが、フェーズごとに「手作業」をまとめておくことは重要です。

「そこでの手作業は有効だが、手順の見直しが必要」「手作業ではせいぜい1週間が限界」「手作業できるが、それでは間に合わない請求書だけでも出そう」などとわかるだけでも、各プランの実効性が向上します。

これまでも大手・中小に限らず、「最終手段は手作業」という考えは多いと思います。とくに私は3.11時の「手書きの航空チケット」で実感しました(私のセミナーで、またBCPセミナーなどでもよくご紹介しています)。

以上、「確定」できることとして「システム面の棚卸し」と自社業務の「手作業にできること」を「現状確認」することで、「いつ、だれが、何を、どこで、どうやる、そしていつまで」が見つかります。

これら「確定」できる事項を洗い出すことで、各社の危機管理・事業継続のポリシーの軸が明確になると思います(上記以外にも「確定」できる事項は多々ありますが、「不確定」要素、つまり「想定外」の要因を極力減らしていくことが各プラン策定で重要です)。

以上まとめてみますと、「確定できること(確定)」と「想定しなくてはならないこと(想定)」の2つがあり、「確定」では「現状確認」として、「システムの棚卸し」と「手作業対応への見極め」により、「いつ、だれが、何を、どこで、どうやる、そしていつまで」が明確になります(緊急時の許容範囲、つまりできることの認識)。

そして、それらを実現できる範囲の「想定」が現状の自社の策定ポリシーになります。

長々とくどい言い回しをしてきましたが、要は「まずは自分を見つめ直しましょう」「できること、できる範囲がわかったら、それが今のゴール」「そして、次はゴールをもう1つ先にできるようにしよう」ということです(これは危機管理・事業継続策定に限らず、とくにこのコロナ禍は「見つめ直す」機会かもしれません)。

今回は「不測の事態への備え(策定ポリシー確定)について」と題し、寄稿しました。繰り返しになりますが、あくまで私見ですので、そこはご容赦ください。

また、今少し具体的な内容や被災時の体験談なども、と思いましたが、それらは別途、事業継続やBCP策定などのWebセミナーでご案内できればと考えています。

まだまだ先行き不透明な日々が続きますが、皆様健康一番でお過ごしください。

追伸
今回の風邪でつくづく「戻ってやり直す」ってしんどいなあ、と。とくに歳をとればとるほど落ちた体力・・・ほんと健康が一番です。

では今後とも御贔屓に、乾杯!


 

デバッグの後のちょっと一杯

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