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三和コムテックが「LaserVault ViTL ver4.0」を発表 ~IBM iに向けたD2Dバックアップソリューション、ストレージ効率とバックアップ性能を向上

IBM iに向けた
D2Dバックアップソリューション

三和コムテックは2026年6月、「LaserVault ViTL」の最新バージョンであるver4.0を発表した。細かなリリースアップは毎年のように実施されていたが、メジャーバージョンアップは数年ぶりである。

LaserVault ViTLは、テープライブラリーを仮想的にエミュレートするバックアップソフトウェアである。IBM i向けに設計されたD2Dバックアップソリューションであり、IBM iのデータを物理テープではなく、PCのディスクやストレージにバックアップする。物理テープ管理の煩雑さを排除するバックアップ手法として近年、注目されている。

LaserVaultの名を冠したD2Dバックアップソリューションは2つある。「LaserVault Backup」と、今回のLaserVault ViTLである。どちらも開発元は米LaserVault社で、国内の販売元は三和コムテックである。

両製品ともに、IBM iに向けたD2Dバックアップを実現するが、LaserVault Backupのほうが手軽かつ安価であり、先発ゆえに導入実績も多い。

一方のLaserVault ViTLはLaserVault Backupより後発で、もともとは「LaserVault UBD」という名前で登場した。2017年ごろに、現在の製品名に改称している。

大容量・高速・短時間でのD2Dバックアップを実現する。IBM iの既存コマンドを変更せずに物理テープを代替できる点をはじめ、完全スケジュール自動運用、IBM TS3200のエミュレートにより他のバックアップソフトウェアとの高い互換性、AES-256による暗号化と自動圧縮、保管・復元の操作はIBM iだけですべて完結するなどの点が、IBM iユーザーに好評である。

ただしファイバーチャネル(FC)もしくはSASで接続するため、LaserVault Backupとソフトウェア価格に違いはないものの、IBM i側にアダプターを追加する分、コストが割高になる。

三和コムテックでは、テープ装置のローダーを複数台運用しているような、大容量バックアップを必要とするユーザーには、LaserVault ViTLを推奨している。

ストレージ効率と
バックアップ性能を高める

今回のバージョンで強化された代表的な機能には、以下がある。

32並列処理エンジン

バックアップデータを最大32個のファイル(TDPファイル)へ同時に書き込む機能である。前バージョンでは8個だったのに対し、新バージョンでは4倍に拡張されたことになる。これにより、大容量データでも効率よくバックアップを実行でき、処理時間の短縮につながる。

マルチパステープライブラリー

バックアップデータの保存先を、用途ごとに分けて管理できる機能が登場した。これがマルチパスである。1つのライブラリー内で複数のパスを定義し、それぞれ使い分けられる。

今までは1つの定義に1つの保管先しか設定できなかったが、新バージョンでは複数(最大32)の保管先を指定できるようになるので、保管期間やデータ形式に応じてパスを変えたり、クラウドやストレージなど保管先に応じた階層管理が可能になる。日次・週次・月次に分けるなど、ユーザーの運用状況に応じて、目的に応じた配置を実現できる。

これにより論理的なバックアップ経路を分離し、用途に応じた最適なストレージ配置と、無停止での柔軟な容量拡張を実現する。

重複排除

書き込み時に、ブロック単位で重複データをリアルタイムに削除する(インライン重複排除)機能を搭載した。既存の圧縮機能(4〜8倍)と併用することでさらに高い効果が得られ、ストレージコストとレプリケーション通信量を大幅に削減する。

これは正確にはVer4.0ではなく、前バージョンであるVer3.0で追加された機能だが、LaserVault ViTLの最初のリリース時にサポートされていなかったため、ユーザーへの訴求度が低いと同社では考えているようだ。そこで今回の新バージョンで、あらためて強化点としてアピールしている。

現在、LaserVault ViTL ver4.0はWindows版として提供されているが、今後はLinux版、続いてiSCSI版が登場する予定である。

iSCSI版が登場すれば、Power Virtual Serverをはじめとする各種クラウドサービスやネットワークに接続されたストレージなどへのD2Dバックアップが可能になる。

クラウドサービスの利用が広がっている現在、iSCSI版の登場がバックアップの選択肢をさらに広げることになりそうだ。

図表1 LaserVault ViTLの構成イメージ

[i Magazine 2026 Summer掲載]

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