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IBM i 7.5 TR1とIBM i 7.4 TR7で、IBM iシステム管理者が注目すべき新機能・機能強化 ~Maxavaのエキスパートがコメント

 

text:アッシュ・ギディングス Maxava

 

IBMは、テクノロジー・リフレッシュの発表サイクルに従って、IBM i 7.5 TR1とIBM i 7.4 TR7を発表しました。さまざまな機能が追加され、システム管理者にとって役立つ要素が数多く含まれています。

SQLサービス 

SQLサービスは従来から成長分野であり、今回のテクノロジー・リフレッシュでも例外なく30以上の新しいサービスが追加され、既存のサービスも多数強化されました。

新サービスの大半は、2つの分野に分かれます。NVMeでは、パスワード保護ポリシーが物理ディスクに適用され管理できるようになり、Db2 Mirror for iではジョブの追跡機能が実装されたことにより、管理者は元のノードが使用できない場合でも、投入されたジョブの状態を確認できるようになりました。また、エラーログにも改善が見られます。これらのサービスはAccess Client Solutions(ACS)経由で実行するのが最適です。

Navigator for i 

Navigator for iでも多くの項目が改善されています。監査ジャーナル(QAUDJRN)の管理は、従来は5250画面のタスクでしたが、新しいテクノロジーにより改善されました。Navigator for iの画面上で、ユーザーごとにフィルタリングされたデータを表示し、その詳細の取得やグラフ化が選択できます。5250での制限と比較すると、本当に画期的です。

誰もが使うコマンドWRKACTJOBでは、以前からNavigatorに相当する管理機能がありましたが、今回のテクノロジー・リフレッシュで以前と異なるモードが導入されました。デフォルトの基本モードでは、速度が劇的に向上しています。「ALL」モードはすべての列のデータを返すためにやや遅く、「WORK」はALLと基本モードの中間のモードで、いくつかの主要な作業管理要素のデータを提供します。またアクティブなジョブをドリルする際に、SQLの詳細を表示できるようになりました。

監視項目もいくつか改善されました。QSYSOPRでメッセージを表示する場合、返信が必要なメッセージのみを表示可能になりました。ストレージチェックでは、SYSBASとIASPの両方を表示できるようになり、システム・モニターでは、右クリックでモニター中のデータを視覚化する機能が強化されました。

Performance Tools for iは無償になったため、Navigator上でJob WatcherとDisk Watcherの両方を使用できるようになりました。

また、侵入者検知の領域が新たに導入され、侵入の可能性を検知した際の通知ルールを定義できるようになりました。

高可用性(ハイ・アベイラビリティ) 

Db2 Mirror for iでは、特定の構成におけるIFS処理でPowerHAが不要になりました。

Power Virtual Serverでは、グローバル・レプリケーション・サービス(GRS)の発表に伴い、クラウド上でハードウェアベースのレプリケーションが可能になります。

その他の注目事項

Db2 Web Queryの新バージョン(2.4.0)が発表されました。

またテクノロジー・リフレッシュやIBM iに関連するものではありませんが、IBMの技術文書をオフラインで利用できるようになりました。「IBM Documentation」(https://www.ibm.com/docs/en)にアクセスしてサインインすると、技術文書をWindows PCにダウンロードできます(Macは近日公開予定)。

2022年5月にIBM i向けのサブスクリプション・サービスが発表されたことも注目に値します。

著者
アッシュ・ギディングス氏
Ash Giddings

 Maxava
プロダクトマネージャー