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5250画面・運用基盤の状況|IBM iユーザー動向調査

●5250・Web・GUI画面の利用状況

 IBM iアプリケーションをどの画面で利用しているかを尋ねた設問では、92.2%が5250画面を挙げた(図表19)。Web画面は43.4%、クライアント/サーバーのGUI画面は22.4%だが、5250画面とWeb画面の併用は全体の38.6%、5250画面とクライアント/サーバーのGUI画面の併用は16.7%で、5250画面・Web画面・クライアント/サーバーのGUI画面の3つを併用するのは13.0%だった。

 

 ちなみに、10年前(2009年)の調査(本誌2009年7月発行号掲載)では、5250画面:93.7%、Web画面:24.1%、クライアント/サーバーのGUI画面:22.5%という結果で、今回と比較して、5250画面とGUI画面の比率に大きな違いがないのに対して、Web画面は約20ポイント増えた。

 

●5250画面のWeb化・GUI化の予定・計画

 一方、5250画面のWeb化・GUI化については、「予定しているが、未着手」と「5250画面の一部をWeb化・GUI化済みで、今後拡大する計画がある」を合わせると47.4%となり、約半数がWeb化・GUI化を予定・計画していることがわかった。その反対に、「Web化・GUI化を完了済み」「予定・計画はない」というユーザーも約半数(51.6%)いる(図表20)

 

 10年前の調査では、「予定しているが、未着手」は25%、「5250画面の一部をWeb化・GUI化済みで、今後拡大する計画がある」は26%、「Web化・GUI化を完了済み」4%、「予定・計画はない」25%という結果で、「予定・計画はない」が今回11ポイント増えているほかは、大きな変化はない。5250画面を使い続けるユーザーは高い比率で今後もいる、ということだろう。

 

●IBM iの運用基盤

 IBM iを含む企業システムを「オンプレミスのみ」で運用するユーザーは53.7%だった。「75%以上をオンプレミスで運用中」と合わせると、81.1%になる。「クラウドのみ」での運用は3.0%だ(図表21)

 

 

●IBM iシステムのクラウドサービスの利用状況

 クラウドサービスの利用状況は、「IBM i上の業務システムの一部または全部を、クラウドサービスで運用中」は8.7%という結果だった。HA・DRシステムのバックアップ側(セカンダリ)をクラウドサービスで運用中のユーザーは1.1%、データのバックアップ先としてクラウドサービスを利用中なのが1.6%である。

 クラウドサービスへの移行予定・計画は、図表22中の黄土色の棒グラフだが、比率としては大きくない。

 72.1%の「その他」には、「未確定」「不明」「わからない」などが含まれる。

 

 

●IBM i以外のシステムのクラウドサービスの利用状況

 IBM i以外の業務システムのクラウド利用については、次のような結果だった(図表23、複数回答可能)。

・ 業務システムの一部または全部を、IaaS・PaaSサービスで運用中:18.6%
・ 業務システムの一部または全部を、IaaS・PaaSサービスへ移行させる計画・予定がある:5.1%
・ 業務システムの一部で、SaaSサービスを利用中:23.2%
・ 業務システムの一部を、SaaSサービスへ切り替える計画・予定がある:8.3%
・ その他:50.5%

 

●IBM iアプリケーションのモバイルからの利用状況

 IBM i上のアプリケーション/システムへのモバイルからの利用については、次のような結果である(図表24)。

・ モバイルPCから利用可能:29.9%
・ スマートデバイスからWebアプリで利用可能:15.5%
・ スマートデバイスからネイティブアプリで利用可能:9.3%
・ スマートデバイスから複数手段で利用可能:1.2%
・ モバイル利用は実施していない:56.2%

 

●業務データ活用・分析ツールの利用状況

 業務データ活用・分析ツールでは、Query/400が半数弱(42.3%)のトップだった。そのあとを、僅差で「自社開発のシステム/ツール」(39.7%)が続く(図表25)。業務データの活用については各社各様のニーズがあり、Query/400では機能や操作性に過不足がある場合があるため、独自に開発しているということだろう。

 そのニーズにきめ細かく応えるツールとして、サードベンダーのツールが3位(35.1%)にランクされている。

 Query/400のWindows 10未対応などにより、クライアントをWindows 10マシンへ移行させるユーザーはQuery/400の「次」を検討する時期だが、今回の調査結果にはその動向が明確には表れていない。

 

 

IBM iシステムの事業継続、災害・障害対策の状況

 図表26は、IBM iシステムの事業継続、災害・障害対策の状況についての設問の結果である。HA(2重化)を実施中のユーザーは3割弱(27.9%)。

 今回の調査では、HAやデータのバックアップでクラウドサービスを利用する予定・計画は、2.1%、4.6%という結果である。

 

 

●実施済みのセキュリティ対策と、1~3年後の予定・計画

 セキュリティ対策に関しては、「実施済み」(図表27)と「1~3年後に導入・実施予定」(図表28)が対照的な結果となった。実施済みと予定との間に顕著な差がある。

 これは、従来からの対策は多くの企業で一巡し、これまでのウィークポイントを補強する動きが進みつつあるということだろう。

 また、「1~3年後に導入・実施予定」の「その他」が約4割(39.7%)となっているのは、この中に「不明」「未確定」があるとしても、そのほかに、従来からのセキュリティ対策とは異なる(設問項目にない)対策への動きと見ることもできる。

 

 

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