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IBM Bobは進化を続ける、IBM Powerも「ネイティブAI」へ向けて、さらに開発が進む ~「POWERUp 2026」でIBMが講演・メッセージ

米COMMONが主催するIBM iユーザーのための年次イベント「POWERUp 2026」が4月26日~30日に米ニューオリンズで開催された。

米COMMONは1960年設立のIBMミッドレンジユーザー(IBM iユーザー)をメンバーとする世界最大の非営利団体。年次イベントは長らく「COMMON」の名称で実施されてきたが、2018年にPOWERUpへ改称。改称とともに、より技術色の濃いイベントへと生まれ変わった。

今回は5日間の開催で、約320セッションが実施された。IBM iに関連する、アプリケーション開発、システム管理、DevOps、CI/CD、セキュリティ、HA/DR、ストレージ、Powerハードウェア、量子コンピューティングなどほぼすべてのテーマが網羅され、IBMによる最新技術の紹介、パートナーによるツール/ソリューションの紹介・デモ、ユーザー事例/ユースケースの紹介、ハンズオンなど多彩なセッションが繰り広げられた。

今回の参加者は約1300人。昨年より26%増え、初参加は全体の約1/3(33%)、ビジネスパートナーの参加は20%増加したという。

今回約320セッションがプログラムされたが、柱となったテーマは「生成AIの活用」である。IBM Bobの名前を冠したセッションは基調講演を中心に6セッション、生成AI関連は40セッション以上実施された。

「オープンニング・セッション」に登壇したヒラリー・ハンター 米IBM Power部門ゼネラルマネージャー(GM)は、IBM iが備える機能の特質と、IBM i以外をプラットフォームする企業がいかにAIの導入・活用で苦労しているのかを説明したうえで、「IBM iほどAI活用に最適なプラットフォームはない」と語り、会場から大きな拍手を受けていた。ハンター氏は、「IBM BobがIBM iの未来を大きく変える」ことも強調していた(別記事にハンター氏の講演レポート)。

基調講演「IBM Bobは、IBM iユーザーのAI開発パートナー」に登壇した米IBMのティム・ロウエ氏(IBM iビジネス アーキテクト)は、IBM Bobの機能として紹介されているコード解釈、コード変換、コード生成、コード補完、ドキュメント作成を改めて紹介したあと、今後の予定について話を進めた。

Premium Package for iのロードマップ
Premium Package for iのロードマップ

「まず6月末までに、Premium Package for iをリリースする予定です。現在のIBM BobはIBM iのリソースに直接アクセスできず、ローカルにコードをダウンロードする必要がありますが、Premium Package for iは直接アクセスを可能にし、利便性と生産性は大きく向上します。

Premium Package for iによって、IBM iプログラムの依存関係の把握やソースを見て編集しコンパイルすることや、コンパイル結果に修正を加えて再コンパイルするようなことが容易に行えるようになります。

また、IBM Bobのモードに“IBM i Developer”という新しいモードが加わり、“IBM Skills”と呼ぶワークフロー機能も提供されます」

IBM i Developer Mode
IBM i Developer Mode

 

ロウエ氏は、「IBM Bobはシステム部門を置き換えるものではなく、システム担当者個々の役割を強化するものです」と強調し、講演を締めくくった。

「IBM iにおけるAI -ポートフォリオと戦略」と題するセッションを行ったIBMのアシュウィン・スリニヴァス氏(AI for IBM Power担当シニア・プロダクト・マネージャー)は冒頭、「“AIネイティブ”が企業コンピューティングの新しいデフォルトになりつつあります」と語り、IBM Powerの製品開発担当はAIをどのように捉えているかを紹介した。

「私は今、企業システムがすべてAIネイティブに変わりつつあるのを目撃しています。つまり、業務部門はAIネイティブなワークフローを使い始め、システム部門は業務と基幹データの統合をAIによってどう実現するかを考え始めています。またエンタープライズアーキテクトたちは、AIネイティブの開発に注目し、さらにAIネイティブ運用にも熱い視線を注いでいます。これが私たちPower製品の開発担当が目の当たりにしている現実で、これがPower製品開発の起点になっています」

ではIBM Powerではどのように対応を進めて来たのか。

スリニヴァス氏によれば、「AIをできるだけ重要データの近くで実行させることに取り組んできました」という。

「IBM Powerは汎用AIプラットフォームではありません。エンタープライズのプラットフォームに特化しています。だからAIをミッションクリティカルなデータ/システムのすぐ隣で実行させたいのです。データを安全かつコンプライアンス準拠に保つことも同様で、私たちのフォーカスはそこにあります」

スリニヴァス氏が、IBM Powerで実現しているAI関連のスタックとして説明したのが、次のスライドである。

IBM PowerのAI対応スタック
IBM PowerのAI対応スタック

「一番下のレイヤは、AIとデータ基盤。Power 10でオンチップでGPU類似演算を行えるMMAを搭載し、Power 11でオンチップのAIアクセラレータ Spyreを導入しました。そして上のレイヤでは、Satellite ConnectorによってPowerVSやオンプレとIBM Cloudのセキュアな統合が可能にし、共通データファブリックによりOracleやDb2、EDBと連携しAI用データの基盤を整備しています。さらに上のレイヤでは、IBM Bobを含めてAIエージェントを利用可能にし、統合的なAIシステムを実現しています」

そしてスリニヴァス氏は、IBM PowerはよりAIネイティブなプラットフォームへ向けて「現在も進化を続けています」と語った。

[i Magazine・IS magazine]

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